福井県に「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で二つ星に認定されている禅寺があるのをご存知でしょうか?
今回は『大本山 永平寺』へのアクセス方法や見どころを動画と共にたっぷりとご紹介していきます!
目次
永平寺とは?
永平寺(えいへいじ)は福井県吉田郡永平寺町にあるお寺で、總持寺(そうじじ/神奈川県横浜市)と並び曹洞宗の大本山とされています。
創建は1244年(鎌倉時代中期ごろ)に曹洞宗の開祖、道元禅師が開きました。坐禅の修行道場として現在でも多くの修行僧が日夜、厳しい修行に励んでいます。
また、10万坪にもおよぶ広大な境内には回廊で結ばれた七堂伽藍の他、大小70以上の仏教建築が配されていたり、数百年かけて育った大木が林立していたりと多くの人を魅了しているお寺でもあります。
ちなみに永平寺の由来は、仏法が中国に伝わった当時の元号「永平」からとされていて、「永久の和平」という意味です。
七堂伽藍(しちどうがらん)とは?
日本の仏教において、僧が修行や生活をする上で欠かせない建物群のことです。
「七」というのは数自体を指しているのではなく、設備・建物がすべて揃っているという意味を表しています。
永平寺では以下の建物が七堂伽藍にあたります。
・山門
・仏殿
・法堂(はっとう)
・大庫院(だいくいん)
・僧堂
・浴室
・東司(とうす)
永平寺へのアクセス方法
永平寺へのアクセス方法はいくつかありますので交通手段別にご紹介していきます。
※各情報は2019年2月時点の情報で変更される場合があります
公共交通機関でのアクセス方法
バスで行く
福井駅東口から京福バス「永平寺ライナー」が毎日運行されていて、約30分で最寄りの「永平寺」バス停まで結んでいます。
京福バス「永平寺」バス停から永平寺の入口までは徒歩で5分ほどです。
永平寺ライナーの片道運賃
720円(大人)
高速バス+永平寺ライナーのセット乗車券
大阪梅田・新大阪と名古屋からそれぞれ高速バスと永平寺ライナーがセットになった乗車券も販売されています。
大阪⇒永平寺セット乗車券
片道分の大阪-福井駅(高速バス)、福井駅-永平寺(永平寺ライナー)のセット乗車券です。
料金
4200円(大人/片道)
120円(大人)お得になります。
名古屋⇔永平寺セット乗車券
往復分の名古屋-福井駅(高速バス)、福井駅-永平寺(永平寺ライナー)のセット乗車券です。
料金
6400円(大人/往復)
240円(大人)お得になります。
※往復分のみの取り扱いですのでご注意ください
永平寺・東尋坊エリアが2日間フリーきっぷ
福井駅を中心に永平寺エリアや東尋坊エリアの指定区間のバスが2日間乗り放題になるフリー乗車券もあります。
永平寺だけでなく東尋坊や丸岡城にも観光したい方にはおすすめです。
また、提携施設ではこのフリー乗車券を提示することで割引等の優待を受けることができる点もお得です。
永平寺・東尋坊2日フリーきっぷの利用案内
料金
2000円(大人)、1000円(小児)
有効期間
2日間
販売場所
福井駅東口バスチケットセンター
福井駅西口ウェルカムセンター
芦原温泉駅発売所
坂井営業所
お問い合わせ先
京福バス本社
0776-57-7700
京福バス坂井営業所
0776-77-2046
電車+バスで行く
福井駅から電車と路線バスを乗り継いで行くこともできます。
こちらで紹介している路線バスは前述の「永平寺ライナー」とは別の路線ですので(特に復路の際に)ご注意ください。
1.福井駅より、えちぜん鉄道(勝山方面)に乗り約25分、永平寺口駅で下車
福井駅からの電車の時刻表
※勝山方面をご確認ください
2.永平寺口駅より、京福バス「永平寺」行きバスに乗り約15分、終点「永平寺」バス停で下車
永平寺口駅駅からの路線バスの時刻表
※路線番号88(メイン)、87(三国観光ホテル前→永平寺線)をご確認ください
福井駅からタクシーで行く
福井駅からタクシーで永平寺に行く場合は片道約30分で4000円~5000円ほどかかります。
往復で利用したい場合は、JR西日本が企画・販売している予約不要の観光タクシープラン「駅から観タクン」を利用するのもおすすめです。
駅から観タクンの場合、福井駅-永平寺の観光コースは2時間で6900円で往復することができます。
(永平寺での見学時間は55分で設定されています)
駅から観タクンの利用方法・案内
永平寺観光2時間コース
1.当日にみどりの窓口でタクシー乗車券購入(予約不要)
2.福井駅のタクシー乗場で普通車タクシーに乗車
3.永平寺観光後、福井駅まで戻る
料金
6900円/1台・2時間コース
利用可能時間
9時~15時
問い合わせ先
JR西日本 北陸案内センター
076-265-5655
車でのアクセス方法と駐車場情報
永平寺大野道路(中部縦貫自動車道)の「永平寺参道」出口より、国道364号線を経由して約10分
永平寺の駐車場情報
永平寺周辺には大きく分けて、町営駐車場と門前町の民間駐車場の2つがあります。
料金はおおむね400円/回となっていますが民間駐車場は土産店や食事処が運営している所が多く、駐車した店舗で買い物や食事をすると無料になる場合が多いです。
ですので、門前町でお土産の購入や食事をする場合は民間の駐車場への駐車がおすすめです。
町営駐車場は3ヶ所にあり、第2・第3駐車場は土日祝日のみの開場です。
町営駐車場の利用案内
第1駐車場
収容台数:約50台
駐車料金:400円/回(普通車)
永平寺山門まで:徒歩約5分
第2駐車場
※土日祝日のみ開場
収容台数:約60台
駐車料金:400円/回(普通車)
永平寺山門まで:徒歩約5分
第3駐車場
※土日祝日のみ開場
収容台数:約70台
駐車料金:400円/回(普通車)
永平寺山門まで:徒歩約15分
町営駐車場の地図
永平寺町が公開している地図です
バスや新幹線を利用した宿泊付きツアーも充実
永平寺は北陸でも有数の人気観光地ですので、全国各地から発着する宿泊ツアープランで行くのもおすすめです。
ツアーで観光すると・・・
・面倒な移動や宿泊の手配もすべて含まれているので楽ができる
・永平寺だけでなく、北陸の主要観光スポットも回ることができる
・北陸の旬な味覚や食べ放題などのグルメが楽しめるのお得なコースもある
などなど、楽にお得に観光をしたい方にはおすすめです。
>>永平寺観光が付いたツアープランの確認はこちら
(ヤフートラベル)
永平寺のみどころ
永平寺で見逃せないポイントをご紹介していきます。
荘厳な仏教建築の数々!
永平寺は開山から800年近くある由緒ある名刹です。
その境内にある建築物は応仁の乱などの歴史上の戦火などで何度かの焼失を経て、各お堂は近世(江戸時代)以降に建立されています。
しかし、その歴史の厚みや禅の心が脈々と受け継がれてきたため、荘厳かつ穏やかな気持ちにさせれくれる雰囲気とたたずまいを放っています。
必見の建築物をご紹介します。
永平寺は見どころがとても多いのですが参拝順路は決まっているので迷う心配はありません。
境内での注意点
必見スポットのご紹介の前に永平寺境内の参拝・観光では以下の点にご注意ください
・雲水(修行僧)の撮影は禁止されています
・境内には撮影禁止の場所があります
唐門(勅使門)
永平寺の境内に入り、通用口(参拝入口)を左手に見ながら参道をそのまま進むとあるのが唐門です。
この唐門は1839年の建立で周囲には樹齢600年以上ともいわれる杉の大木が林立していて、永平寺を代表する撮影スポットのひとつです。
傘松閣(さんしょうかく)の天井画
傘松閣の2階にあるのが144名の画家が描いた230枚にもおよぶ日本画の天井絵です。
回廊
永平寺では七堂伽藍が回廊で繋がっています。
山門
1749年(江戸時代中期)に再建された立派な門で釈迦如来像や五百羅漢像なども安置されています。禅寺における伝統様式である禅宗様(ぜんしゅうよう)がふんだんに取り入れられています。
仏殿
1902年(明治35年)に建築された建物です。中には、過去・現在・未来を表す阿弥陀如来の三世仏をはじめ、道元禅師の師、如浄禅師像や禅宗初祖である達磨像が安置されています。
法堂(はっとう)
1843年(江戸時代後期)に建てられた建物で、この場所で説法や法要などが行われます。中央には聖観音(しょうかんのん)像が安置されています。
また、境内の一番高い場所に位置しているので七堂伽藍と樹木の対比を楽しめる場所としても人気です。
承陽門・承陽殿
承陽殿は1881年(明治14年)に建築された建物で、道元禅師の廟(まつられている場所)で第5世までの歴代住職の像も安置されています。永平寺で最も重要かつ神聖な場所とされています。
大庫院(だいくいん)
1930年(昭和5年)に建築された近代木造建築で台所と事務所の役割を担っています。地上3階・地下1階の造りで、中には建築当時のエレベーターが稼働していて、現存する日本最古の稼働エレベーターともいわれています。
また、内部には長さ約4mの巨大なすりこぎが吊るされていて、人気のスポットになっています。
松平公廟所
永平寺境内には福井藩(越前松平家)の三代藩主・松平忠昌(まつだいらただまさ)公の墓所です。永平寺で一番古い建物とされる
元々は勅使門だったといわれていて、永平寺内で最も古い建物とされています。
中雀門
仏殿に対しての門で、1852年(江戸時代後期)に道元禅師の600回目の大遠忌(だいおんき)の際に新築されました。
禅の心を学ぶことができる!
永平寺では各種体験がありますので禅の心を学びたい方には参加するのもおすすめです。
坐禅体験
予約なしで参加が可能な体験です。
実施時間
10時~
11時~
13時30分~
14時30分~
15時30分~
※お寺の行事などにより実施されない場合もあります。
志納料(参加料金)
500円
写経体験
予約なしで参加が可能な体験で般若心経など三種の写経ができます。
実施時間
随時受付
※お寺の行事などにより実施されない場合もあります。
志納料(参加料金)
1000円
参籠(さんろう/宿泊体験)
参籠とは寺社にある期間にこもることを指します。永平寺でも1泊2日の参籠で修行道場の雰囲気や禅の心を学ぶことができます。
体験プラン
一泊二食付き
恩金(宿泊料金)
9000円(中学生以上)
5000円(小学生)
参禅(さんぜん/宿泊・修行体験)
参籠よりも雲水の修行の一端に触れることができるのが参禅研修です。
実施期間
実施される期間が決まっているので、詳しくはお問い合わせください。
恩金(体験・宿泊料金)
一泊二食付き:10000円
三泊八食付き:20000円
お問い合わせ先
大本山永平寺布教係
0776-63-4361
周辺ではお祭りも開催される!
周辺では永平寺にちなんだ祭りも開催されますので、主なものをご紹介します。
永平寺花祭り
毎年ゴールデンウィークの最終日に開催されるお釈迦様の誕生を祝う祭りです。
お釈迦様にゆかりがある白象を引きながら門前町を練り歩く「稚児行列」をはじめ、永平寺境内でも甘茶がふるまわれたり、山門前で役寮(やくりょう)様より洒水(しゃすい)を受けることができます。
役寮とは?
全国の曹洞宗寺院の住職の中から選ばれて、永平寺に常在し、雲水を指導される高僧のことです。
永平寺大燈籠ながし
毎年8月の下旬ごろに九頭竜川の河川敷で開催される灯ろう流しで、終盤には花火も上がる福井の晩夏の風物詩です。
元々、灯ろう流しはお盆に家に戻ったご先祖の霊を送り出す習わしで、永平寺では毎年この灯ろうの法要をしています。
灯ろうには供養向けと願い向けの2種類があり、それぞれ期限までに申込み(有料)をすれば当日に流すことができます。
(当日に参加ができない場合は代理で流してもらえます)
永平寺周辺のおすすめ観光スポット
永平寺周辺にはおすすめの観光スポットがありますのでそちらもご紹介します。
永平寺町エリア
永平寺の門前町でグルメを堪能する!
-永平寺からすぐ
永平寺の門前町で多くの人が堪能する人気グルメは精進料理と永平寺そばです。
禅宗が日本に伝来した鎌倉時代以降に発展をしてきたのが精進料理です。
特に曹洞宗では料理と食事をすることも重要な修行と考えられていて、道元禅師の教えから永平寺流の精進料理が全国に広がったともされています。
一方「越前おろしそば」など、そばどころとしても有名な福井県ですが、永平寺周辺では「永平寺そば」として参拝客にふるまわれています。
挽きぐるみ(殻のまま引いたそば粉/全層粉)で打ち、香りが豊かなのが特徴です。
※精進料理は要事前予約ですのでお店へお問い合わせください
禅の里で温泉を楽しむ!
-永平寺から車で約20分
国道416号線沿いにある日帰り温泉施設が「永平寺温泉 禅の里」です。露天風呂をはじめ、サウナや休憩スペース、無料の足湯コーナーが備えられています。
また、隣が「道の駅 禅の里」なので、地元の特産品やお土産も一緒に購入できるのでおすすめです。
坂井市エリア
東尋坊
-永平寺から車で約1時間
全国的に有名な福井県を代表する名勝である東尋坊も観光圏内です。前述の「永平寺・東尋坊2日フリーきっぷ」を利用すれば、バスで行くことも可能です。
昔ながらの面影を残す商店街や遊覧船は観光客から大人気です。
東尋坊の紹介ページ
(坂井市三国観光協会)
まとめ
・永平寺は七堂伽藍をはじめ仏教建築の見どころがたくさんある
・バスのフリー乗車券や観光タクシーでアクセスするのもおすすめ
・禅の心に触れられる体験も充実している
・周辺グルメは永平寺そばや精進料理がおすすめ
・東尋坊などの有名観光スポットにも行ける
永平寺で心落ち着かせる大人な旅行・観光はいかがでしょうか?
永平寺の動画
永平寺境内の様子がわかる動画をご紹介します
永平寺で修行をする雲水の様子が収められた動画をご紹介します
永平寺の基本情報
利用案内
参拝時間
5月~10月:8時~17時30分
11月~4月:8時30分~17時
※行事等によって参拝時間が変更になる場合もあります
閉山日
指定なし
拝観料
対象 | 料金 |
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大人 | 500円 |
小・中学生 | 200円 |
※未就学児は無料
※別途、障がい者料金あり
※各種体験は別料金
問い合わせ先
大本山 永平寺
0776-63-3102
永平寺に関する各種情報ページ
>>永平寺町・福井市エリアの宿泊施設
(じゃらん)
永平寺の地図
福井県吉田郡永平寺町志比5-15