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都内から1時間半。荒川沿いの戦国城跡と、寄居・長瀞・小川町をめぐる大人の日帰り旅

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埼玉に、これほど本格的な城跡があるとは——。
池袋から東武東上線でわずか90分。荒川と深沢川が合流する断崖の上に、かつて北関東を制した難攻不落の城が、今も静かにその姿をとどめている。

鉢形城。戦国時代に北条氏邦が拠点とし、豊臣秀吉の小田原攻めの際には前田利家・上杉景勝の大軍を相手に1か月以上もの籠城戦を繰り広げた、関東屈指の山城だ。

観光地としての賑わいよりも、歴史の静けさを優先したい大人の旅に、これほど似合う場所はそうない。しかも、城跡を出れば長瀞のライン下り、小川町の酒蔵と和紙すき体験など、旅の奥行きを広げる選択肢が電車一本で広がっている。

今回は、都内からのアクセスから周辺の観光・グルメまで、夫婦やカップルにおすすめの日帰りプランをたっぷりご紹介します。


鉢形城とはどんな城か

断崖に築かれた、天然の要塞

鉢形城跡は、荒川と深沢川という二つの川に三方を囲まれた断崖の上に築かれている。川が天然の堀となり、急峻な崖が城壁の代わりを果たすという、地形そのものを武器にした山城だ。

築城は文明8(1476)年。関東管領・山内上杉氏の家宰であった長尾景春によると伝えられている。その後、北条氏康の四男・氏邦が城を大幅に整備・拡張し、北関東支配の拠点として、また甲斐・信濃からの侵攻を防ぐ重要な防衛拠点として機能した。

激動の籠城戦と開城

天正18(1590)年、豊臣秀吉による小田原攻めが始まると、鉢形城は後北条氏の重要な支城として戦場となる。前田利家・上杉景勝率いる北国軍に包囲されながら、城主・氏邦は1か月以上にわたって激しく抵抗した。

最終的に氏邦は、城兵たちの命を守ることを条件として開城。戦国武将としての矜持と、部下への情けを両立させた幕引きは、今も語り継がれている。

昭和7(1932)年には国の史跡に指定。現在は「日本100名城」にも選出されており、同じ埼玉の川越城とともに、関東を代表する城郭跡として知られている。

城跡の見どころ

城跡を歩くと、堀や土塁がよく残り、本曲輪・二の曲輪・三の曲輪といった空間の区画が今も確認できる。特に三の曲輪では、戦国時代の築城技術を今に伝える石積み土塁・四脚門・池が復元されており、往時の姿をリアルに想像させてくれる。

訪問前にぜひ立ち寄りたいのが、城跡に隣接する「鉢形城歴史館」。城の歴史や出土品を丁寧に解説しており、予備知識を入れてから城跡を歩くと、景色の見え方がまったく変わってくる。

鉢形城歴史館
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始
料金:一般200円、学生100円、中学生以下・障害者手帳をお持ちの方 無料
日本100名城スタンプ:歴史館内、または駐車場正面入口の郵便ポストにて


季節ごとの魅力

🌸 春(3月下旬〜5月)——桜と戦国まつりの季節

鉢形城跡の春は、エドヒガンの開花とともに始まる。バラ科サクラ属のこの桜は、一般的なソメイヨシノよりもやや早く、3月下旬から4月初旬にかけて咲き誇る。城跡の土塁や堀に沿って咲く様子は、歴史の舞台としての重厚さと、春の柔らかさが交差する独特の美しさだ。カタクリの花も同時期に見られ、足元にも彩りが広がる。

そして5月には、寄居の一大イベント「寄居北条まつり」が開催される。武者行列や合戦再現など、戦国絵巻さながらの迫力あるパフォーマンスが繰り広げられ、鉢形城の歴史がより鮮明によみがえる。城跡見学と合わせてこの時期を狙う価値は十分にある。

寄居北条まつり(例年5月第3日曜)
場所:玉淀河原・市街地
アクセス:寄居駅から玉淀河原まで徒歩約15分
問合せ:寄居町商工観光課 048-581-2121

🍁 秋(10月〜11月)——静寂と紅葉、城跡本来の顔

春の賑わいとは対照的に、秋の鉢形城跡は静かで落ち着いた雰囲気が漂う。観光客が少なくなる分、広大な城跡をゆっくりと独り占めするような時間が生まれる。

紅葉が進む11月ごろには、土塁や石積みの上に赤や黄に染まった木々が重なり、写真映えする風景が広がる。荒川沿いの遊歩道を歩けば、川面に映る紅葉も楽しめる。

夏の緑が抜け、葉が落ちた冬の手前のこの季節は、城郭の構造がもっとも見えやすい時期でもある。お城好きの方には、ある意味で一番のシーズンかもしれない。


🚃 電車プラン|川と文化をめぐる旅

ルート概要

池袋 → 寄居(鉢形城) → 長瀞(ライン下り) → 小川町(酒蔵・和紙)

すべて電車で完結するため、お酒を楽しみたい方にも最適。荒川沿いの自然と、埼玉の伝統文化をセットで体験できる、充実の一日になる。

モデルコース

時間 内容
8:30 池袋駅 東武東上線 出発
10:00 寄居駅着 → 徒歩20分で鉢形城歴史館へ
10:20 歴史館で予習(約30分)
11:00 城跡散策(約90分)
12:30 寄居駅周辺でランチ
13:30 秩父鉄道で長瀞へ(約15分)
14:00 長瀞ライン下り(約30分)
15:00 岩畳周辺を散策
16:00 寄居へ戻り、東武東上線で小川町へ(約20分) ※時間に余裕があれば
16:30 小川町・酒蔵見学または和紙すき体験
18:00 小川町駅から池袋へ帰路

ポイント:長瀞と小川町はどちらか一方に絞るのがおすすめ。
半日ゆっくり過ごしたいなら長瀞、体験を楽しみたいなら小川町と、その日の気分で選んでみて。

長瀞ライン下り

荒川の清流を舟で下る長瀞のライン下りは、秩父・長瀞エリアを代表するアクティビティ。岩畳と呼ばれる天然の岩場が続く絶景の中を、船頭さんの案内とともに進む約3kmの川旅は、爽快感と非日常感が抜群だ。

春は新緑、秋は紅葉、冬は澄んだ空気と、季節を変えて何度でも楽しめる。

長瀞ライン下り
料金目安:大人1,700円〜(コースにより異なる)
アクセス:秩父鉄道「長瀞駅」から徒歩すぐ
※事前予約がおすすめ
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小川町|酒蔵めぐりと和紙の体験

「武蔵の小京都」とも称される小川町は、清らかな水と長い歴史が育てた酒と和紙の町。

代表的な酒蔵では、地元の名水を使った地酒の試飲や見学ができ、お気に入りの一本をみやげに持ち帰る楽しみもある。電車で来た醍醐味がここでも活きてくる。

和紙体験では、国の重要無形文化財にも指定されている「細川紙」の手漉き体験が可能。自分だけの一枚を作る体験は、カップルや夫婦の旅の思い出として格別だ。体験は要予約のケースが多いため、事前に確認しておきたい。

和紙体験(小川町)
アソビューじゃらんアクティビティから予約可能


🚗 車プラン|買って、食べて、持ち帰る旅

ルート概要

都内 → 関越自動車道・花園IC → 鉢形城跡 → 道の駅はなぞの → いちご狩り(春季限定)

車ならではの「荷物を気にしない買い物」と「フレキシブルな移動」が最大の魅力。地元の野菜や特産品をたっぷり積んで帰れるのは、電車旅にはない特権だ。

モデルコース

時間 内容
8:00 都内出発(関越道利用)
9:30 花園IC着 → 鉢形城歴史館へ(IC から約20分)
10:00 歴史館 → 城跡散策
12:00 寄居周辺でランチ
13:30 道の駅はなぞの(買い物・休憩)
14:30 いちご狩り(春のみ)または荒川周辺ドライブ
16:00 帰路

道の駅はなぞの

花園インターチェンジのすぐそばにある「道の駅はなぞの」は、地元・深谷や寄居産の新鮮野菜や特産品が並ぶ、帰り道に寄り道したい一軒。深谷ねぎ、秩父みそ、地元の手作り惣菜など、スーパーでは手に入らないものが揃っている。食事処も併設されており、昼食スポットとしても使える。

道の駅はなぞの
住所:埼玉県深谷市小前田369-1
営業時間:9:00〜18:00(季節により変動あり)
アクセス:関越自動車道 花園IC すぐ

いちご狩り(春季限定)

花園・深谷エリアは、埼玉でも有数のいちご産地。春(1月〜5月ごろ)には周辺農園でいちご狩りが楽しめ、城跡の歴史散策とのギャップがまた面白い。時間無制限・食べ放題のスタイルが多く、甘いひとときを過ごせる。

いちご狩り(花園・寄居周辺農園)
じゃらんアクティビティ等から予約可能


もし1泊するなら——旅の奥行きをもっと広げる

日帰りでは惜しい、そんな気持ちになったら、ぜひ1泊プランを検討してみてほしい。寄居を起点にすれば、秩父・長瀞エリアの豊かな自然と温泉が、翌日の旅を彩ってくれる。

長瀞泊|翌朝の岩畳を独り占め

長瀞には荒川沿いに旅館が点在しており、川のせせらぎを聞きながら過ごす一夜は格別だ。翌朝、観光客が来る前の早い時間帯に岩畳を歩けば、静けさの中で自然の雄大さをじっくりと味わえる。

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秩父市内泊|2日目の選択肢が豊富

秩父市内に泊まれば、翌日の行動範囲が一気に広がる。秩父神社の朝詣で、羊山公園(芝桜は4〜5月が見ごろ)、祭りの湯でのんびり、道の駅ちちぶでの買い物など、選択肢が豊富だ。秩父の郷土料理・わらじカツ丼も、ぜひ味わってみてほしい。

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温泉でゆっくり泊まるなら|満願の湯(皆野・小鹿野エリア)

皆野・小鹿野エリアには「満願の湯」など評判の温泉施設がある。旅の疲れを癒しながら翌朝ゆっくり出発するプランは、特に「のんびりしたい夫婦旅」に最適だ。

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アクセス

電車

  • 東武東上線・JR八高線・秩父鉄道「寄居駅」下車、徒歩約20分
  • 池袋〜寄居:東武東上線で約90分

  • 関越自動車道「花園IC」から約20分
  • 鉢形城公園駐車場(無料):利用時間 9:00〜17:00

バス

  • 東秩父村営バス:寄居駅 → 和紙の里行 →「鉢形城歴史館前」下車

基本情報

項目 内容
名称 鉢形城跡
住所 埼玉県大里郡寄居町大字鉢形
営業時間 終日(無休・無料)
歴史館営業時間 9:30〜16:30、月曜休館
歴史館入館料 一般200円、学生100円、中学生以下無料
問い合わせ 鉢形城歴史館 048-586-0315

この記事は執筆時点の情報をもとにしています。営業時間・料金・体験内容等は変更になる場合がありますので、事前に各施設へご確認ください。

鉢形城の動画

鉢形城の様子がわかる動画を紹介