東京都内の梅の名所と言えば、湯島天神(文京区)や羽根木公園(世田谷区)を思い浮かべる人も多いと思いますが、今回紹介するのは八王子市にある『高尾梅郷(たかおばいごう)』です。
ここは都内最大級となる1万本もの梅が咲く名所で、見ごろの時期には梅まつりも催されますので、開催情報や見どころ、周辺のおすすめスポットを動画と一緒に紹介します!
目次
高尾梅郷とは?
裏高尾と呼ばれるエリアにある旧甲州街道と小仏川に沿う約4.5kmに点在する梅林の総称で約1万本の梅が咲き誇る名所です。
昭和30~40年代にかけて住民が中心となり、梅を植樹して現在の規模になりました。
現在では高尾梅郷に点在する主要7か所の梅林を巡るハイキングコースも設定されていて、歩きながら梅の花を楽しめることもあり「八王子八十八景みどり・公園の景」にも指定されています。
また、梅が見ごろを迎える時期には「梅まつり」も開催され、普段は一般開放されていない梅林への入園もできることから多くの人が訪れる人気スポットにもなっています。
高尾梅郷での梅の見ごろの時期は?
例年2月下旬~3月下旬です。
梅まつりが開催される頃(例年3月中旬)にはある程度、咲き揃っています。
→2024年の梅まつりは3月9日(土)・10日(日)に開催されます
高尾梅郷での最新の開花状況
(八王子市公式サイト)
高尾梅郷の8つの梅林
高尾梅郷のエリアに点在する梅林は主に8か所あり、それぞれの場所で雰囲気や趣が異なるので楽しんで回ることができます。
遊歩道梅林
JR高尾駅と京王線高尾山口駅のほぼ中間に位置(どちらからも徒歩15分ほど)していて高尾梅郷の玄関口となる梅園です。
小仏川沿いに植えられた梅を土手の遊歩道や河原側から楽しむことができます。
この梅園の入口には小仏川にかかる上椚田橋(かみくぬぎだばし)がかかっていて、その橋の上は写真スポットとしても人気です。
関所梅林
遊歩道梅林から徒歩で10分ほどの場所にあるのが関所梅林です。
江戸時代、甲州街道の要衝としてこの場所に小仏関所が設けられ東海道の箱根・中山道の碓井と並び関東の三関と言われるほど重要な関所でした。現在では関所跡として残されていてその周囲を梅が囲んでいます。
また、ここは広場にもなっているので梅まつりの開催期間中には出店やイベントなども催されます。
天神梅林
関所梅林から徒歩で10分ほどの場所に天神梅林があります。
ここには学問の神様である菅原道真公(天神様)をまつっている高尾天満宮があることから天神梅林と呼ばれています。
高尾天満宮は入口から少し上がった場所に社があり、その参道(遊歩道)周辺が梅林になっています。
菅原道真公は梅の花をとても愛でていたので梅の花を楽しみながら学問の神様へお参りすれば更なるご利益も期待できるかもしれません。
荒井梅林
こちらも関所梅林から徒歩で10分ほどの場所にあります。
前述の天神梅林とは小仏川や旧甲州街道、JR中央本線を挟んで反対側の小高い場所に位置していています。
ここは梅林越しの眼下にJR中央本線を走る電車が見えることや天神梅林を一望できるためひそかな人気を集めるスポットです。
湯の花梅林・するさし梅林
関所梅林から圏央道をくぐり徒歩で15分ほどの場所に湯の花梅林とするさし梅林があります。
こちらでも梅まつりの開催期間中には出店が並んでいて、さらに奥にある木下沢梅林へ向かう人たちの多くが立ち寄るスポットになっています。
圏央道の高架の真下には「高尾梅の郷まちの広場」(湯の花梅林から徒歩2分ほど)があり、梅まつり期間中にテーブルとイスも設置されるため休憩や飲食スポットとしても利用できます。
また、湯の花梅林から木下沢梅林へ向かい徒歩約2分の左に大きくカーブする場所辺りには2018年に完成した「摺指まちの広場」もあり、こちらでも出店などが立ち並んでいます。
※するさし梅林も普段は開放されていなく、木下沢梅林と同じ期間で開放されます
木下沢梅林(こげさわばいりん)
湯の花梅林から徒歩で30分ほどの場所に木下沢梅林があります。
この木下沢梅林は1,400本もの紅白の梅が一面に咲くことから、高尾梅郷の中でも屈指の人気スポットです。
また、トレッキングコースとして遊歩道が整備されているのですが通常は園内への立ち入りができず、梅まつりの開催に合わせて特別開放されることからも人気です。
2024年の木下沢梅林の特別開放期間・時間
2024年3月2日(土)~3月17日(日)
各日10:00~16:00
他の梅林と少し離れた場所にあることから、木下沢梅林にのみ駐車場(40~50台ほど)も設置されています。
徒歩で行く際には湯の花梅林からの道沿いに浅川国際マス釣場やツリーハウスなども見ることができるので、景色を楽しめながら歩くことができます。
路線バスでのアクセスも可能です。バス停などの詳細は後述しています。
小仏梅林
木下沢梅林から都道516号線に戻り、川沿いを上流に向かって10分ほど歩くと小仏梅林に行くことができます。
この梅林では沿道に咲く梅の花を楽しむことができ、中央線と並行しているので梅越しの電車を撮影することもできます。
また、この梅林の終点は京王バスの折り返し地点になっている小仏バス停なので、こちらからバスに乗って高尾山口駅方面に戻ることができます。
2024年の高尾梅郷『梅まつり』開催情報
高尾梅郷の梅まつりは1980年(昭和55年)に第1回が開催され、2024年で45回目を数える裏高尾エリアに春の訪れを告げる代表的なイベントです。
現在では開催2日間で合計3万人以上の人々が春の景色と香りを楽しみに来場します。
開催日
2024年3月9日(土)・10日(日)
梅まつりでの主な開催イベント
例年、高尾梅郷の梅まつりの開催期間中には、各会場でイベントの開催や梅の加工品や甘酒などが販売されます。
イベント「スタンプハイク」
4つの梅林会場(遊歩道梅林、関所梅林、天神梅林、するさし梅林)にあるスタンプをめぐるスタンプラリー形式の参加費無料のイベントです。
(台紙は会場で配布されています)
スタンプを4つ全て集めて最寄りの梅林会場に持って行くと抽選で記念品が当たります。
※参加は一人1日1回限定です
※スタンプと抽選の受付は各会場共通で9:00~16:00です
2024年高尾梅郷「梅まつり」の公式チラシ(裏面)
(八王子市公式サイト)
3月9日(土)の開催イベント
じょいそーらん華神楽の踊り
※雨天の場合、中止になります
11:00〜 遊歩道小名路会場
12:00〜 関所梅林会場
13:30〜 するさし梅林
「じょいそーらん」とは山梨県上野原市で2001年に発足した鳴子踊り団体で、東京・山梨・神奈川に支部があります。その中で「じょいそーらん華神楽」は地元高尾を中心に活動しているチームです。
仮面コミカルパフォーマー BoroCopSHIBA
※雨天の場合、中止になります
13:00〜 関所梅林会場
15:00〜 するさし梅林
献歌
会場:天神梅林会場(高尾天満宮)
高尾天満宮の前には献歌帳や短冊があり、俳句や短歌を詠んで納めることができます。
3月10日(日)の開催イベント
献歌
会場:天神梅林会場(高尾天満宮)
高尾梅郷のおすすめコース
梅林散策のコースが整備されていて安心
高尾梅郷は各梅林へのコースが整備されているので道に迷いにくく安心して散策ができます。その中で推奨コースも設定されているので紹介します。
(すべてJR高尾駅、もしくは京王線高尾山口駅からの所要時間です)
お手軽コース(片道約1時間)
「遊歩道梅林→関所梅林→天神梅林→湯の花梅林」の4つの梅林をめぐるコースです。
時間と体力に余裕がある場合は荒井梅林まで足を延ばすこともできます。
満喫コース(片道約2時間)
こちらは前述のお手軽コースの4つの梅林に加え、荒井梅林と最奥にある木下沢梅林までのすべてを回るコースです。
高尾梅郷で一番人気がある木下沢梅林は若干離れているので、バスで行くことも可能なのですが、健脚の人は春の風景を楽しみながらぜひ徒歩で行くのがおすすめです。
また、このコースの復路でバスを利用する人も多いですが、往路をバスで行って乗り駅に徒歩で戻る方法もおすすめです。
高尾梅郷の各梅林は小仏川に沿って点在していて、遊歩道梅林(下流)から木下沢梅林(上流)に向けて緩やかな勾配を登っていく形になるため、スタート地点を木下沢梅林に設定すれば、下り道を行く形でそれぞれ梅林へ行くことができます。
(荒井梅林や天神梅林は川の両岸のそれぞれ山側にあるため、坂道を上る形になります)
路線バス情報
各梅林へは路線バス(京王バス・西東京バス)で行くこともできます。
JR高尾駅から
北口乗り場から「高01 小仏行き」が往復運行しています。
【JR高尾駅からの(往路)便】
「JR高尾駅北口→小仏行き」バスの時刻表
(京王バス・西東京バス バスナビ公式サイト)
【JR高尾駅への(復路)便】
「小仏→JR高尾駅北口行き」バスの時刻表
(京王バス・西東京バス バスナビ公式サイト)
京王高尾山口駅から
京王高尾山口駅を発着する運行はありません。
(2024年2月時点)
各梅林の最寄りバス停
遊歩道梅林:「小名路」バス停
関所梅林:「駒木野」バス停
天神梅林・荒井梅林:「荒井」バス停
湯の花梅林・するさし梅林:「蛇滝口」バス停
木下沢梅林:「日影」もしくは「大下」バス停
※復路のみ「梅の里入口」バス停(旧甲州街道との合流地点付近)から乗車ができます
小仏梅林:「小仏」バス停(終点)
高尾梅郷の周辺観光・ランチスポット
高尾梅郷の周辺には登山客数世界一(年間約260万人)を誇る高尾山があるので観光やグルメを楽しめるスポットも多数あります。
その中から特におすすめのスポットを紹介していきます!
観光スポット
高尾駒木野庭園
遊歩道梅林から徒歩約3分
駒木野病院に隣接する八王子唯一の日本庭園で無料で楽しむことができます。
規模は大きくはないものの枯山水が配されていたり、立派な錦鯉が泳ぐ回遊式の庭園や見事な盆栽など見どころ満載で多くの人が訪れます。
また、園内の日本家屋にはカフェや売店が併設されていて休憩するのにもぴったりです。
高尾駒木野庭園の利用案内
営業時間
11~3月 9:00~16:00
4~8月 9:00~18:00
9・10月 9:00~17:00
料金
入園無料
休園日
年末年始
住所
東京都八王子市裏高尾町268-1
(最寄りは「病院前」バス停です)
この場所をグーグルマップで開く
問い合わせ先
042-663-3611
京王高尾山温泉「極楽湯」
京王線高尾山口駅の目の前にある日帰りの入浴施設です。
春先は肌寒い日もありますので観梅の帰りに立ち寄るのもおすすめです。
料金(繁忙期料金)
大人(中学生以上):1,300円
子ども(4歳~小学生):650円
【その他、主な有料品】
フェイスタオル(販売)
バスタオル(レンタル)
高尾599ミュージアム
高尾山ケーブルカーの山麓駅乗り場からも近い場所にある博物館施設です。
高尾山の豊かな生態系や歴史を学ぶことができるほか、カフェやショップも併設されていて休憩施設としても多くの人が訪れています。
入館が無料というのも嬉しいポイントです。
高尾599ミュージアムの利用案内
営業時間
12月~3月 8:00~16:00
4月~11月 8:00~17:00
※最終入館は30分前です
料金
入館無料
休園日
基本無休
※メンテナンス休館が年に数回あるのでホームページをご確認ください
住所
東京都八王子市高尾町2435-3
この場所をグーグルマップで開く
問い合わせ先
042-665-6688
ランチ・グルメスポット
高尾山のグルメと言えば特産のとろろや蕎麦が有名で、高尾山口駅や高尾駅周辺に数多くの飲食店やカフェが立ち並んでいます。
今回は高尾梅郷(裏高尾エリア)にあるおすすめのお店を紹介します。
蕎麦と杜々
遊歩道梅林から徒歩約5分
川沿いの住宅街に突如として現れる隠れ家的なお蕎麦屋さんです。
毎日、石臼で挽く蕎麦や雑穀、季節の野菜を使った料理がとても好評です。季節によって変わる蕎麦メニューも楽しみの一つです。
豊富な地酒やクラフトビールなどの地元の味も堪能できます。
また、里山の風景も楽しめるテラス席ではペット同伴での食事もできる点が嬉しいポイントです。
峰尾豆腐店
湯の花梅林から徒歩約5分
(摺差(するさし)バス停からすぐ)
湯の花梅林からするさし梅林を越え、木下沢梅林へ行く途中にある旧甲州街道沿いにあるお豆腐屋さんです。
裏高尾の湧き水で作る寄せ豆腐やおからドーナツなど、散策時の食べ歩きグルメとしても、お土産としても人気です。
ふじだな
湯の花梅林から徒歩約15分
(裏高尾バス停から徒歩約2分)
湯の花梅林と木下沢梅林の中間くらいに位置する旧甲州街道沿いにある一軒家カフェで外からは店内の焙煎機が見えます。
厳選した豆を自家焙煎して淹れるこだわりのコーヒーがとても好評です。数種類のケーキも提供されています。
まとめ
・高尾梅郷は8つの梅林を楽しめる
・2024年の梅まつりは3月9日(土)・10日(日)に開催
・木下沢梅林は梅の見ごろの時期に特別開園される
・観梅のためのハイキングコースが設定されていて、路線バスを利用することもできる
・周辺には裏高尾エリアだからこそ堪能できるグルメもある
都内最大級の梅の名所で春を感じるのはいかがでしょうか?
高尾梅郷の動画
高尾梅郷随一の景色「木下沢梅林」の動画を紹介します
2017年に開催された高尾梅郷「梅まつり」の開催の様子が分かる動画を紹介します
高尾梅郷の基本情報
利用案内
開園日
指定なし
※木下沢梅林とするさし梅林は梅の見ごろに合わせて期間限定の特別公開
(2024年は3月2日(土)~3月17日(日)に開放)
開園時間
指定なし
※木下沢梅林のみ特別公開期間中は10:00~16:00
休園日
指定なし
料金
無料
問い合わせ先
八王子市役所 産業振興部観光課
042-620-7378
高尾梅郷梅まつり実行委員会
080-6758-1187
高尾梅郷に関する各種情報ページ
高尾梅郷の紹介ページ
(八王子市公式サイト)
木下沢梅林の紹介ページ
(八王子市公式サイト)
高尾梅郷への行き方・アクセス
公共交通機関
JR中央線「高尾駅」・京王線「高尾山口駅」より、徒歩で約15分
(遊歩道梅林まで)
※路線バスを利用する場合は前述をご確認ください
車
木下沢梅林まで
圏央道「高尾山IC」より国道20号線、都道516号線を経由して約15分
※土・日・祝日は混雑や渋滞が予想されるため、公共交通機関でのアクセスがおすすめです
駐車場
木下沢梅林のみあり
(無料・約50台)
マップコード:23 194 525*25
※梅まつりが開催されるの各会場には駐車場がないので公共交通機関でのアクセスをお願いします