日本最大の半島、紀伊半島の秘境として人気がある奈良県の『大台ヶ原』をご存知でしょうか?
秘境にもかかわらず、標高が高いところまで車やバスで行くことができ、お手軽な登山コースとして紅葉を筆頭に新緑や雲海の時期にかけて大人気のスポットです。
今回はそんな大台ヶ原の見どころや登山・ハイキングルート、バスでのアクセス方法などを動画と共に紹介します!
目次
大台ヶ原とは?
奈良県と三重県にまたがる大台ヶ原山(標高1695.1m)を中心としたエリアことで、吉野熊野国立公園の一部とされています。
屋久島(鹿児島県)に並ぶほど多雨地帯で育った原生林が多く残っていることも貴重で、大台ヶ原山は全体が特別天然記念物に指定されています。
その他、「日本百名山」をはじめ、「日本百景」、「日本の秘境100選」などにも選出されていることに加え、初心者でも楽しめるハイキングコースが整っているため、多くの登山者やハイカーたちから人気を集めています。
大台ヶ原へのアクセス方法
電車+バスで行く場合
大台ヶ原へのアクセスは車で行くのが一般的ですが、登山シーズン中は最寄り駅から路線バスが出ているので、お得なバス切符と一緒に紹介していきます。
大和八木駅からのバス便
近鉄大阪線・橿原線の大和八木駅からは、奈良交通バスで大台ヶ原に行くことができます。
例年、開山期間中に運行されています。
※大和上市駅には停車しないのでご注意ください
運行期間
2024年4月21日(日)~11月24日(日)
時刻表
イオンモール橿原-大和八木駅経由-大台ヶ原のバスの時刻表
(奈良交通公式サイト)
料金
3,100円(大人/片道)
※荷物料金は別途200円
問い合わせ先
奈良交通 お客様サービスセンター
0742-20-3100
大台ヶ原 探勝日帰りきっぷ
近鉄電車と奈良交通バスの往復切符に加え、大台ヶ原物産店で記念品までもらえるお得なセットです。
探勝日帰りきっぷの詳細
セット内容詳細
1.近鉄電車の往復乗車券(発駅~大和八木駅または橿原神宮前駅まで)
2.奈良交通バスの往復乗車券(大和八木駅または橿原神宮前駅~大台ヶ原まで)
3.大台ヶ原物産店でもらえる記念品の引換券
発売期間
2024年4月12日(金)~11月24日(日)
※利用は4月21日(日)~
※乗車日を指定する必要があります
※乗車日の1ヶ月前から当日まで購入することができます
有効期間
2024年4月21日(日)~11月23日(木・祝)
料金・発売駅
近鉄の各駅からの料金表
探勝日帰りきっぷを購入できる駅
(近鉄公式サイト)
問い合わせ先
近鉄電車テレフォンセンター
050-3536-3957
大台ヶ原 探勝日帰りきっぷの紹介ページ
(近鉄公式サイト)
車で行く場合
大阪方面から
南阪奈道路より国道165号線、県道40号線(大台ヶ原ドライブウェイ)を経由
東海方面から
名阪国道「針IC」より国道369号線、国道370号線、県道40号線(大台ヶ原ドライブウェイ)を経由
大台ヶ原の駐車場
あり
(無料・約200台)
県道40号線(大台ヶ原ドライブウェイ)の終点、大台ヶ原ビジターセンターの手前にあります
大台ヶ原のみどころ
大台ヶ原は2つのエリアに分かれている
大台ヶ原は東大台エリアと西大台エリアに分かれます。
毎年4月下旬~11月下旬が開山期間として設定されていて、その期間中は常に登山客やハイカーが訪れますが、なかでも紅葉の時期が最も混雑が集中する期間です。
大台ヶ原のエリアマップ
(上北山村公式サイト)
東大台エリア
前述のとおり、登山道が整備されていて初心者にも比較的登りやすく、絶景を堪能できることから人気が高く、今回は東大台をめぐる2つのコースを紹介します。
西大台エリア
手つかずの自然が残っていて、環境を保全するため1日の立ち入り可能人数が制限されています。
入山したい場合は、環境省への入山申請が必要です。
(東大台エリアは入山申請は必要ありません)
東大台の登山・ハイキングコースと主な見どころ
東大台の2つの登山コースと見どころを紹介する前に注意点があります。
主な注意事項
・標高が高く、多雨エリアなので天気の急変も想定して、雨具や防寒具の装備の用意をお願いします
・東大台エリアにはトイレがないので事前に済ませてください
・毎年、熊の出没情報も出ているので熊よけ鈴などの対策をお願いします
東大台(中道)コース(Aコース)
登山マップ
(上北山村公式サイト)
※マップ画像内に水色で塗られたコースです
登山レベル(あくまでも目安です)
初級
距離
約9km
所要時間の目安
約4時間
東大台(中道)コースの主な見どころ
日出ヶ岳(ひでがだけ)
大台ヶ原エリアの最高峰で頂上には展望台も整備されています。
そこからは晴れていれば、熊野灘や遠く富士山まで望むことができることや360度の大パノラマが広がるため絶景スポットとして人気です。ご来光スポットでもあります。
大蛇嵓(だいじゃぐら)
東大台コースのクライマックスと言っても過言ではないスポットです。
標高800m地点にある山からせり出しているような形の断崖絶壁で、その先に立つとスリルと絶景を堪能することができます。
※転落防止の鎖がありますが進む際には十分に気をつけて下さい
正木ヶ原(まさきがはら)
1959年の伊勢湾台風の直撃により、辺り一帯の木(トウヒ)が立ち枯れをして幻想的な景色が見られるスポットです。
上記以外にもきれいな平原が広がる「牛石ヶ原」や、多雨な環境が育てた苔を堪能できる「苔探勝路」など4時間の中で感動できるスポットが多数あります。
東大台Bコース
登山マップ
(上北山村公式サイト)
※マップ画像内に黄緑色で塗られたコースです
登山レベル(あくまでも目安です)
中級
距離
約9km
所要時間の目安
約4時間
東大台Bコースの主な見どころ
Aコースのスポットに加えて「シオカラ谷吊橋」を通るコースです。シオカラ谷近辺は高低差が大きく険しめなことから中級に設定されています。
シオカラ谷
巨石や奇岩が点在する谷でコース上では沢にかかる吊り橋を通ります。
上級者にはシオカラ谷吊橋からの沢登りが人気です。巨岩を乗り越えながら「東の滝」や「高倉滝」など多彩な滝や風景を見ることができます。
手つかずの自然や紅葉を楽しめる
大台ヶ原山は山自体が特別天然記念物かつ、エリア全体が国立公園の特別保護地区に指定されています。
そのため、手つかずの自然が多く残っていて紅葉や森林浴のスポットとしても人気です。
特におすすめなのが紅葉と新緑の時期です。周囲の山々と一緒に様々な色に変化していく季節の移ろいを感じることができます。
大台ヶ原での紅葉の見ごろの時期
例年10月中旬~10月下旬
大台ヶ原での新緑の見ごろの時期
例年5月上旬~6月上旬
新緑の時期にはシャクナゲ(5月中旬~下旬)も咲きます。
雲海も見られる!
大台ヶ原は雲海が発生しやすいエリアとしても知られています。そこで、大台ヶ原周辺で雲海が発生しやすい条件や時期、ビューポイントを紹介します。
大台ヶ原で雲海が発生しやすい条件と時期
大台ヶ原は日本有数の多雨エリアです。
これは伊勢湾から暖かく湿った空気が多く流れ込み、大台ヶ原周辺の山々にぶつかることで雨になることが多いためです。
この地理的な条件が雲海を発生させるためのポイントになっています。
雲海(霧)が発生するために絶対に必要なのは以下で大台ヶ原周辺はその条件を満たしていると言えます。
1.湿った空気があること
(雨が降った後は特に期待できます)
2.夜から朝にかけての寒暖差(暖→寒)が大きいこと
大台ヶ原は地理的・気象的な条件が整いやすいため、様々な種類の雲海が発生します。
大台ヶ原での10日間の天気予報
(tenki.jp)
大台ヶ原で雲海が発生しやすい時期
大台ヶ原周辺では夏から秋にかけて雲海が発生します。
特に秋(9月下旬~11月中)は寒暖差が大きくなるため特におすすめの時期です。
しかも、10月後半は紅葉の時期でもあるので雲海と紅葉の両方を楽しめる時期ともいえます。
また、雲海が発生しやすい時間帯は日の出~午前8時くらいまでと言われているので、少し早起きをして雲海を見た後に登山を楽しむこともできます。
大台ヶ原で人気の雲海のビューポイント
大台ヶ原で人気の雲海のビューポイントは主に2ヶ所あります。
大台ヶ原ドライブウェイ
雲海のビューポイントには駐車スペース(数台分)があります
大台ヶ原で人気の雲海のビューポイントは実は登山コースではなく、大台ヶ原ビジターセンターや駐車場へ向かう道路、大台ヶ原ドライブウェイ(県道40号線)沿いにあります。
国道169号線(東熊野街道)から大台ヶ原ドライブウェイ(県道40号線)に入ってから、車で約20分(約10km)の場所にあります。
マップコード
747 125 315*55
※崖側は柵などの設置がないのでご注意ください
大台ヶ原ドライブウェイでの今週末の雲海発生予報
(週末探検家)
日出ヶ岳展望台
伊勢湾を見下ろす大台ヶ原屈指の展望スポットで文字通り日の出を見ることができます
日出ヶ岳展望台は前述の大台ヶ原ドライブウェイのビューポイントに比べると雲海に出会える確率は低くなりますが、出会えれば雲海から昇る日の出を見ることができる貴重なスポットです。
※日の出を見る場合、暗い時間に登山道を行く形になりますので照明具や防寒などの装備をしっかりとしてください
宿泊すると満点の星空・日の出も楽しめる!
大台ヶ原周辺は町や人家がないので、天の川も見られる星空スポットとしても人気です。
車中泊やビジターセンター近くにある宿泊施設「湯治館」に宿泊をして、日の出前の登山で日出ヶ岳からのご来光を眺めるというプランで訪れる人も多いです。
まとめ
・大台ヶ原は原生林が今も数多く残る秘境スポット
・登山シーズン中はバスやお得な探勝きっぷが発売される
・東大台のハイキングコースは初心者にもおすすめ
(装備や準備はしっかりと)
・例年、紅葉は10月中旬~10月下旬が例年の見ごろ
・雲海は例年9月下旬~11月中に発生しやすくなる
・星空観察やご来光を見るには宿泊もおすすめ
紀伊半島が生んだ絶景で癒しのハイキングをするのはいかがでしょうか?
大台ヶ原の動画
東大台のプロモーション映像を紹介します
大台ヶ原での星空・日の出を含むドローン映像を紹介します
大台ヶ原ドライブウェイの雲海ビューポイントからの動画を紹介します
大台ヶ原の基本情報
利用案内
開山期間
4月下旬~11月下旬
料金・入山料
無料
問い合わせ先
大台ヶ原ビジターセンター
07468-3-0312
上北山村役場地域振興課
07468-2-0001
大台ヶ原に関する各種情報ページ
大台ヶ原への行き方・アクセス
公共交通機関
近鉄大阪線・橿原線「大和八木駅」より、奈良交通バスで「大台ヶ原バス停」下車
大和八木駅-大台ヶ原のバスの時刻表
(奈良交通公式サイト)
車
マップコード:747 041 299*70
大阪方面から
南阪奈道路より国道165号線、県道40号線(大台ヶ原ドライブウェイ)を経由
中部方面から
名阪国道 針ICより国道369号線、国道370号線、県道40号線(大台ヶ原ドライブウェイ)を経由
駐車場
あり
(無料・約200台)
※特に紅葉などの人気の時期には早朝に満車になってしまうため、公共交通機関の利用の方が確実です
大台ヶ原の地図
奈良県吉野郡上北山村小橡
【エリア別】日本全国の雲海スポット
日本全国にある定番から穴場までamAtavi編集部がおすすめする雲海スポットを発生しやすい時期と一緒にエリア別でまとめています。本格的な登山が必要ない車やロープウェイなどで行けるスポットを中心に紹介しています。