愛知県豊田市に雲海スポットがあるのをご存知でしょうか?
旧稲武町に鎮座する『押山(おしやま)』です。
そこで今回は押山での雲海が発生する時期や条件をはじめ、アクセス情報やおすすめポイントまで解説していきます!
目次
押山とは?
愛知県の北東部、豊田市押山町地区にある標高773.3mの山で「愛知の130山」にも数えられています。
古くは美濃(今の岐阜県あたり)と三河(今の愛知県あたり)間の情報をつなげるための狼煙(のろし)の中継地点でした。
近代になると、修験道を起源とする木曽御嶽山への山岳信仰のための霊場としても重要な役割を果たしてきました。
最近では、山頂や登山道が整備され手軽に登れることや雲海が見られるスポットとしてひそかな人気を集めています。
押山は私有地を地域振興のために開放しています。また、信仰の対象でもある山ですのでマナーへのご配慮をお願いします。
押山での雲海の発生時期や条件
発生しやすい時期と時間
雲海は一般的に前日夜から当日の朝にかけての気温差(暖→寒)が大きくなる時期の早朝に発生しやすいといわれています。
押山周辺で雲海が発生しやすい時期
押山周辺では例年、秋から初冬10月~11月にかけて多く発生するといわれています。
雲海が発生する時間帯
早朝6:00~9:00くらいまでの早朝が一番きれいに見えます。
※気象条件が整わなければ発生しないので見られない場合もあります
※冷え込む季節の早朝ですので防寒対策があると安心です
発生しやすい条件
雲海が発生するためには①地形的条件と②気象的条件の2つが必要です。
地形的な条件としては一般的に盆地や山間の地形に発生しやすいとされています。押山周辺は山間部なのでこの条件はクリアしているといえます。
気象的にはいくつかパターンありますので押山周辺で発生しやすい雲海の種類と条件を解説していきます。
放射霧
雲海の中でも最もポピュラーなもので押山周辺でも一番多く発生すると考えられています。
発生する気象的条件
1.発生するポイントでの湿度が高い
(前日に湿気の滞留や雨が降るなど)
2.放射冷却で地表が冷やされる
(晴れる/押山上空を高気圧が覆う)
3.水蒸気を含んだ冷えた空気がその場でとどまる
(風がない/風速3m以下が好ましい)
4.冷やされた空気が飽和状態に達して霧が発生する
5.地上より上空の気温が高い状態(逆転層)になっている
これらの現象は盆地や山間で夜から朝にかけての寒暖差(14℃ほどと言われています)が大きくなる春と秋によく発生します。
ですので、10月~11月に押山周辺が前日に雨で、夜から翌朝にかけて晴れる+風速3m以下の天気予報の際には雲海に出会えるチャンスが高いといえます。
豊田市の10日間の天気予報
(tenki.jp)
雨あがりの霧(雲海)
雨が降った後に晴れると保水した地面から水蒸気が放出され、冷やされることで発生する霧で盆地・山間で発生しやすいです。
放射霧に比べると規模が小さめなものが多く、秋ごろに特に発生しやすいですがその他の季節にも発生します。
押山のおすすめポイント
お手軽登山を楽しめる!
押山は山頂の手前まで車で行くことができ、そこから整備された登山道を進み約10分で山頂まで行くことができます。
もう少し押山での散策・ハイキングを楽しみたい場合は石神峠に入口がある「押山古道」を通るのもおすすめです。
押山古道は周辺の道が整備される前に使われていた山道(徒歩専用)で雑木林や人工林の中を進み、前述の山頂登山口まで行くことができます。
古道入口から山頂登山口までの所要時間は約50分です。
大展望が楽しめる!
押山山頂は展望スペースとして整備されていて約270度(北~西~南)の大パノラマが広がっています。
大雲海が発生した際には見える範囲すべてで雲海が広ることもあります。
雲海が発生していない時でも晴れていれば数々の名峰を望むこともできます。
押山から見られる主な名峰
北側
御嶽山(おんたけさん/日本百名山)
恵那山(えなさん/日本百名山・新花の百名山)
西側
猿投山(さなげやま/愛知の130山・東海自然歩道)
南側
駒山(こまやま/愛知の130山)
パワースポットでもある!
前述の通り、押山は木曽御嶽山への山岳信仰の霊場として地元の方々からは「峰山のおんたけさま」と親しまれているパワースポットでもあります。
山頂には御嶽神社(おんたけじんじゃ)を中心に縁のある神社や神様をまつる石神仏が鎮座しています。
御嶽神社にまつられている神様、蔵王権現(ざおうごんげん)は国常立尊(くにとこたちのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)の三柱の神様の総称とされています。
主なご利益としては、五穀豊穣や縁結び、家内安全、商売繁盛、長寿・病気平癒などとされています。
押山へのアクセス情報
押山の登山口、駐車スペース・駐車場マップ
押山へは車でアクセスします。
※押山地区へのバス便はありますが、雲海が発生する時間帯に到着する便はありません
それぞれの入口付近には整備された駐車場がありませんが、周辺に駐車できるスペースがあります。
※交通の妨げにならないように駐車をお願いします
豊田市街からの場合
足助方面へ進み、国道153号線を経由して約90分
※11月の紅葉の時期には足助・香嵐渓周辺が大渋滞するので県道344号などを使って迂回するのがおすすめです
恵那市方面からの場合
中央自動車道「恵那IC」より国道19号線、257号線・418号線を経由して約60分
山頂登山口への行き方
マップコード(目安):368 285 112*14
山頂登山口へは豊田市道から私道に入って進む必要があります。山頂登山口付近には駐車できるスペースもあります。
国道153号線と国道257号線のそれぞれから市道へアクセスすることができます。
押山古道の入口への行き方
マップコード(目安):368 285 706*17
押山古道の入口は豊田市道沿いにあります。
こちらも入口から市道を挟んで目の前に駐車スペースという形で畑の側道に駐車することができます。
周辺の観光・宿泊スポット
日帰り温泉
押山周辺にある雲海鑑賞で冷えた体を温めたり、登山の汗を流せる日帰り温泉施設を紹介します。
稲武温泉 どんぐりの湯
押山山頂登山口から車で約20分
国道153号線沿いにある「道の駅 どんぐりの里いなぶ」に隣接する日帰り温泉施設で食事処や休憩スペースも完備しています。
男女の入浴フロアが1階と2階に分かれていて週ごとに入れ替わります。各フロア10種類前後のお風呂を楽しめると人気です。
稲武温泉 どんぐりの湯の利用案内
営業時間
平日 10:00~21:00
土日祝日 9:30~21:00
※全日最終受付は20:00
定休日
毎週木曜日
※木曜日が祝日の場合は翌営業日
※その他、不定期でメンテナンス休館あり
料金
大人 | 小人 | |
---|---|---|
通常 | 600円 | 300円 |
17時以降 | 500円 | 250円 |
※低温サウナは別途200円
※別途、有料で貸・売タオルあり
お問い合わせ先
稲武温泉 どんぐりの湯
0565-82-3135
ホテル岡田屋
押山山頂登山口から車で約20分
国道153号線沿いにある和風ホテルで「奥三河の秘湯」といわれている夏焼温泉郷にあり、日帰り入浴もできます。
内湯のみですが、入浴料が400円という点や男女ともに大きな檜風呂が備わっていて落ち着いて入浴できる点が人気です。もちろん宿泊もできます。
ホテル岡田屋の日帰り入浴の利用案内
営業時間
11:00~21:30
※季節によって時間が変更になる場合があります
定休日
基本なし
料金
400円(大人)、200円(小人)
お問い合わせ先
ホテル岡田屋
0565-82-2544
紅葉スポット
押山周辺は例年11月上旬~中旬頃に紅葉の見ごろを迎えますので雲海鑑賞の後は紅葉狩りも楽しめます。
大井平公園
押山山頂登山口から車で約20分
国道257号線沿いにある公園で名倉川の渓流沿いに色づく紅葉を楽しめます。例年11月上旬~下旬にかけて「もみじまつり」が開催され、五平餅の出店などが軒を連ねます。
香嵐渓ほど混雑もなく穴場スポットとしてひそかな人気を集めています。
香嵐渓
押山山頂登山口から車で約60分
国道153号線沿いにある東海エリア有数の紅葉スポットです。見ごろの時期(例年11月中)には紅葉まつりが開催され、夜間ライトアップなども実施されます。
周辺道路がとても混雑するので注意が必要です。
↓こちらの記事で香嵐渓の紅葉ライトアップ情報を確認できます
宿泊して雲海鑑賞をする選択肢も
雲海は早朝に発生するので押山までの道のりが長い人は周辺に宿泊をしておくのもおすすめです。
雲海の発生自体は条件次第ですが、見れなくても押山からの眺望や11月ごろの紅葉を楽しむことができます。
押山の山頂登山口まで車で30分圏内のおすすめの宿泊施設を紹介します。
(前述のホテル岡田屋さんももちろん宿泊可能です)
夏焼温泉 青柳亭
押山山頂登山口から車で約18分
国道153号線沿いの夏焼温泉郷にある和風旅館です。
外観は古き良きたたずまいなものの、一部客室がリニューアルされていたり、館内の清潔さや食事の質・量への口コミ評価が高い宿です。
夏焼温泉 青柳亭の紹介ページ
(いなぶ観光協会公式サイト)
ロッヂ中乃屋
押山山頂登山口から車で約15分
国道153号線沿いにある宿泊施設です。
近隣にレストランも運営していて、宿の食事はそちらで伝統料理や地元の食材を使った料理を楽しめます。また、コストパフォーマンスが高いと人気です。
まとめ
・押山は愛知県豊田市にある雲海・眺望・パワースポット
・雲海は10月・11月の早朝に発生しやすい
・前日が雨で、夜から翌朝にかけて晴れると発生の期待大
・登山道や古道入口付近には駐車スペースがある
・周辺には日帰り温泉や紅葉スポットもあり1日中楽しめる
・宿泊して雲海が発生しやすい早朝に備えるのもおすすめ
愛知県屈指の雲海スポットで大自然が織りなす芸術を体感してみてはいかがでしょうか?
押山の雲海動画
押山山頂から大雲海が収められた動画をご紹介します
押山の基本情報
利用案内
閉山日
指定なし
※真冬には周辺道路に積雪や路面凍結もありますのでご注意ください
開放時間
指定なし
※押山は私有地で麓には民家もありますのでご配慮をお願いします
料金
入山無料
問い合わせ先
一般社団法人ツーリズムとよた
0565-85-7777
押山に関する各種情報ページ
押山の地図
愛知県豊田市押山町
全国の雲海スポット
全国にある雲海スポットをエリア別に紹介しています。本格的な登山の必要がなく、車やロープウェイなどで手軽に行ける場所がほとんどです!
↓こちらからご確認ください
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