石川県輪島市。
輪島塗でも有名な北陸のこの街には、特産品の他にも全国に名の知られる素晴らしい場所がたくさんあります。
そんな魅力ある輪島市のなかで、今回は白米千枚田(しろよねせんまいだ)という棚田を中心にご紹介します!
目次
白米千枚田のみどころ
金沢からもアクセス可能!白米千枚田で見る棚田の絶景!
石川県といえば金沢市がやはり有名です。金沢市には兼六園や金沢城をはじめ風情ある城下町の名残が今も残る人気の観光スポットです。また、日本各地から石川県を訪れる方も、金沢を入口に石川県各地へお出かけになるというケースが非常に多いです。
今回ご紹介する白米千枚田は金沢駅からだけでなく、のと里山空港もアクセス可能な景勝地です。
のと里山空港(能登空港)からは完全予約制の能登ふるさとタクシーでのアクセス、金沢駅からは路線バスや定期観光バスでアクセス可能です。
もちろんマイカーやレンタカーでという方法もあります。車利用の場合には、のと里山空港からおよそ1時間弱、金沢駅からは約2時間程度かかります。
※季節や時期により変更になる可能性がありますので事前に観光協会又は各交通機関にお問い合わせください。
県内の主要な玄関口から多様なアクセス方法が用意されているのも、他には代えがたい絶景スポットがあればこそ!
一見の価値がある白米千枚田へ是非一度足を運ばれてはいかがでしょうか?
白米千枚田のおすすめポイント
絶景も含め 世界農業遺産に日本初登録!
世界農業遺産は、2002(平成14)年に食料の安定確保を目指す国際組織である国際連合食糧農業機関により開始されてプロジェクトで、プロジェクトの本部はイタリアのローマにあります。
UNESCO(ユネスコ)が推進・認定する遺跡や歴史的建造物、自然などの不動産の保護目的の世界遺産に対して、土地利用や農業・農法、農村文化・景観などの「地域システム」の認定・保全を推進し目指しているのが世界農業遺産です。
そして、2011年に新潟県の佐渡市(トキと共生する佐渡の里山)と並んで日本で初めて世界農業遺産認定を受けたのが、「白米千枚田」からの絶景を含む能登の里山里海です!
低山と丘陵地が多い能登半島は三方を海に囲まれ、それぞれの海岸線で異なる特徴を持っています。また、日本海側気候に属し冬季に積雪がある反面、沖合の対馬暖流の影響で同緯度の他のエリアよりは比較的温暖なため、寒いエリア、暖かいエリアのそれぞれに属する動植物が生息する特異な地域でもあります。
土地利用、農林水産業、食文化や祭礼に至るまで里山・里海の双方が密接なつながりをもち不可分な地域を形成しています。
このような経緯から能登地域(4市4町にまたがるエリア)が世界農業遺産に認定されました。認定されたどのエリアも見どころが多いのですが、その中でも白米千枚田は季節によって絶景の内容も変わる特別な場所のひとつで、見逃せません!
夕日やライトアップ!季節問わずの見頃と見どころ
季節ごとの美しさが楽しめる白米千枚田は海沿いを走る国道249号線沿いの輪島と曽々木の中間辺りに位置します。小さな田んぼが鱗のように重なって海岸まで続く絶景は珍しいもので、日本の棚田百選はもちろん史跡名勝天然記念物に指定されています。(登録名称:白米の千枚田)
全国に千枚田と付く棚田はありますが、海に向かって広がってゆくその景観は全国でも珍しいもので必見です!
田植えシーズンの美しさ
例年の4月下旬から5月のGW頃にかけて(その年の気候により異なります)は、水が引かれ始め田植えの時期を迎えます。
水を張ることにより千枚田に水鏡が出現します。
そこではこのシーズンにしか味わえない、水面に映る空、海の青、稲のまだ若さあふれるフレッシュグリーン、夕日の反射等が自然豊かな表情のコントラストを作りだします。一年の内、ほんのひと時にだけ見られる絶景が出現する季節です!
夏からの秋にかけての白米千枚田はイルミネーションもスタート
夏も深まる頃になると、背丈も伸びた稲が鮮やかな緑へと変わってゆき、日を追うごとに緑は濃く色を増してゆきます。春の田植えの頃に一度訪れ、時を少しずらして夏に再訪すればその成長を目の当たりにできるのではないでしょうか。
秋になると刈入れの時期へと移行してゆきます。頭を垂れた鮮やかな黄金色の稲穂は、まるでその収穫の時を待つようです。
この季節(秋)はイベントも多く稲刈りや、約21,000ものLEDが灯るイルミネーションあぜのきらめきも秋から冬にかけて開催されます!
このイルミネーションは、通称ペットボタルと呼ばれるLED装置で実施されていて、使用されているペットボトルは地元企業の協力により昼間の太陽光エネルギーで充電、暗くなると自動で発光するしくみにになっているので環境にも配慮されています。
この時期に実施される装置の設置は、毎年募集されるボランティアの手によってなされています。
例年10月頃から翌年の3月くらいまで実施されていますので、冬の時期のイルミネーションとしても楽しむことができます。
海からの寒風が吹くエリアなので、温かく風を防げる服装でお出かけになってください。
2021-22年シーズンのイルミネーション・ライトアップイベント「あぜのきらめき」
例年の通り2021年も「あぜのきらめき」が開催されます!
開催日程、概要等の詳しい情報は以下のリンクから確認できます。
魅力のオーナー制度は人数限定
白米千枚田には千枚田の保全の取り組みにとして2007(平成19)年より始まったオーナー制度があります。
これは、稲作体験を通し先人の苦労や生産の喜び等の理解を深め、またオーナー会員と地元農家との交流を大切にする制度です。
また、特典として収穫米などがあり、その数に限りがあるため先着順で募集は締め切られます。また稲作等の作業に参加できない場合は地元管理団体に代行していただけるので安心です。
例年1月頃に募集が開始され、定員に達し次第締め切りとなります。白米千枚田の田んぼ一枚当たりの面積は小さく、各区画により面積も異なるので、オーナとなった場合は任意のマイ田んぼを選びコメ作りをすることになります。(所有権があるわけではありません。)
応募資格は主に3つで、
・白米千枚田の景観保全には耕作維持が必要であることを理解し、米作りをする意欲がある
・時間を気にせず、体力と忍耐を必要とし、生産の喜びがある米作りをする意志がある
・稲作作業を通じて地元耕作者と交流を深めたいと考えている
となっています。
また料金は、オーナー2万円(マイ田んぼ1枚につき3千円追加、2枚まで追加可能)と、トラスト1万円(マイ田んぼなし)となっています。(企業会員もありますが割愛します。)
オーナー会員の特典は、収穫米10kgと地元特産品、マイ田んぼに表札を建立、トラスト会員は収穫米5㎏と地元特産品となっています。
このような制度で保全に努めながら、美しい風景が守られています。オーナー制度に参加して、また違った目で白米千枚田を眺めてみてはいかがでしょうか。
登りは大変!?せっかくなら海側からも見てみたい!
国道方面から棚田を海岸線へと下ってゆくと、その傾斜はわりとキツいため登りが大変という声も聞かれます。ですが、体力に自信があり時間のも許すのであれば、海岸付近にも行かれてみてはいかがでしょうか。
単純に散策コースとしても楽しめますし、何より海を間近に白米千枚田を見ることができ、上から全体像を眺めるのとはまた全然違った表情を見ることができます。
棚田や千枚田と呼ばれる場所は日本全国に数あれど、海と棚田のコラボレーションはそうそうないので、ご自分の予定に合わせて様々な角度から絶景を楽しんではいかがしょうか。
近くのホテル・旅館
白米千枚田からの景色もそうですが、輪島エリアは海沿いということもあり、海を望める宿泊施設も豊富です。季節にもよりますが、太平洋とはまた違う荒々しい日本海に出会えるかもしれません。
このような美しいオーシャンビューを楽しめ、温泉や海の幸を味わえる宿もあります。
他にもちょっと豪華な気分を味わえる温泉旅館から、リーズナブルなホテルまでこの輪島市の中心地付近には素敵な宿が多くあります。(白米千枚田からは車で20分程度)
全国区に知られるホテルチェーンですが天然温泉を楽しむことができます。人気の輪島朝市へも徒歩約3分と大変便利な場所にあり、2019年11月27日にOPENした大浴場も人気です。
日本海の眺望を楽しみつつ白米千枚田からもアクセスしやすい距離に位置する漁師の宿 城兼もオススメです。日本海に面した客室からや、浴室からも四季折々の海の表情を堪能でき、時間帯によっては地平線に沈みゆく夕日を眺めることもでき大変人気です。
是非近隣に宿泊して白米千枚田周辺を満喫してみませんか。
白米千枚田の関連イベント・プラン
白米千枚田へ行かれたら、すぐ近くの道の駅 千枚田ポケットパークへ行かれてみてはいかがでしょうか。
にぎりたてのおにぎりは食べられた方々から「おいしい!」と評判です。
マイカーやレンタカーで行かれた場合には、駐車場もこちらの施設を利用することになります。
※繁忙期など駐車スペースが限られていますので、時間等も考慮のうえ公共交通機関のご利用も検討ください!
また、道の駅つながりで、棚田から車で約20分の道の駅輪島 ふらっと訪夢もオススメです。驚くのがその佇まい。こちらの道の駅は元々本物の鉄道の駅だった場所を、新たにバスターミナルとして再生した経緯があるので、通常の道の駅を想像していると新鮮に感じられるはずです。
Wi-Fiも整備されていますし、待合所のほか観光案内所わじま観光案内センターが設けられているので観光客が様々な情報を得ることができ便利です。
また外国人観光客専用の窓口があり、アジア圏のみならず欧米圏の観光客にも対応しているので外国からのご友人などとご一緒の場合は重宝します。
ライブカメラ
輪島市公式のライブカメラです。
映像はこちらから
棚田の様子を見ることができます。
白米千枚田の動画
素敵な動画をご紹介します。
白米千枚田「道の駅千枚田ポケットパーク」の基本情報
利用案内
営業時間
8:30~17:30
休業日
レストラン:無休
駐車場
あり
普通車 約50台
問い合わせ先
千枚田ポケットパーク(せんまいだぽけっとぱーく)
連絡先:0768-34-1242
白米千枚田に関して
輪島市交流政策部観光課
連絡先:0768-23-1146
白米千枚田に関する各種情報ページ
宿泊旅行で訪れたいという方は
>>じゃらんで白米千枚田周辺の宿を検索してみる
白米千枚田への行き方・アクセス
公共交通機関
輪島駅前(ふらっと訪夢)より 北鉄バス → 「白米千枚田」バス停 下車
※本数が少ないのでご注意ください
詳しくは公式サイトをご確認ください
車
金沢駅から (約2時間)
→ 県道146号線→ 県道159号線→ 県道200号線→ 里山海道(無料区間)
→ 県道303号線→ 県道1号線→ 県道271号線→ 国道249号線 →白米千枚田
駐車場
あり
駐車場入口
白米千枚田の地図
Tea break -Cover Story-
夜明けの棚田
何もない。
光と、闇と、風と、匂いがそこにはある。
ただ時間が進んでいるようで、止まった時間を置いて、僕が進んでいるような、そんな錯覚を起こしそうになる景色。
明けてゆく空に照らされ、みるみる姿を現す全貌は、誰にも打ち明けられない心が丸裸にされてゆくように思えた。
昨日のことや、なくした自信とか、そんなことはもうどうだっていい、なんて思うことはできないけど。
幾重にもリフレインをつづける思考や、「ずんっ」と沈む感情に目を向けることはできる気がした。
自分という殻から分離できない感情を、幾度となく再現して、自傷行為のような感覚でその痛みに浸っていることも、この、いますぐには消すことのできない思いの供養にはなるのかも知れない。
対峙して、どっしりと向き合ってしまう方が、その後には、すっと雪のように姿を変え、静かな雫となり果てて、流れてゆくのかも知れない。
この感覚から、少し遅れて聞こえてくる波音を聞きながら、そんなことを考えていた。
必ず来る朝はいつも、美しいということを見つめながら。
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