新潟県魚沼市にある枝折峠(しおりとうげ)は国内でも珍しい、雲海が山を下る自然現象「滝雲」が見られることで人気を集めています。
今回は枝折峠で滝雲や雲海が発生する時期や条件を中心にアクセス・駐車場情報などと一緒に紹介していきます!
目次
枝折峠とは?
枝折峠(しおりとうげ)は新潟県魚沼市を通る国道352号にある峠(標高1,065m)です。
越後三山や日本百名山にも数えらる越後駒ヶ岳(標高2,003m)への登山口があることでも有名です。
近年は奥只見湖で発生した雲海がダイナミックに山を下る現象「滝雲(たきぐも)」が見られるスポットとして多くの人が訪れています。
枝折峠での滝雲・雲海の発生時期や条件
枝折峠の周辺は1000m級の山々が連なり、その谷間に川が流れています。上流には国内で2番目の総貯水容量を誇る奥只見湖(ダム)があります。
これらは雲海を発生させるのに適した地形条件なので、気象条件が整った場合には高い確率で雲海や滝雲が発生するといえます。
枝折峠での雲海の種類と発生条件
滝雲を見るためには、まずは雲海が発生する必要があります。
放射霧と言われる最もポピュラーな雲海ができる際の発生条件は以下です。
1.発生するポイントでの湿度が高い
(前日に雨が降るなど)
2.放射冷却で地表が冷やされる(晴れる)
3.水蒸気を含んだ冷えた空気がその場でとどまる(風がない)
4.冷やされた空気が飽和状態に達して霧が発生する
5.上空が地上より気温が高い状態(逆転層)になっている
これらの現象は盆地や山間で寒暖差が大きくなる春と秋によく発生します。
枝折峠には奥只見湖という湿度の供給源が近くにあるので放射霧も発生しやすいといえます。
放射霧に加え枝折峠ではそれ以外にも発生する霧があります。
蒸気霧による雲海
湖や川の水温が地上の気温よりも高い際に冷たい空気がそこに流れ込むことで水面が蒸発して発生する霧です。
主に秋から冬にかけて発生がしやすいといわれています。
枝折峠での滝雲の発生条件
通常は雲海を見るためには風がない状態が望ましいのですが、滝雲が発生するためには山を吹き下ろす強い風が必要なのが特徴的な条件です。
山々の直上に逆転層あると、できた雲海にフタがされた状態になるので風が吹いても散らずに山を下る現象が起こります。
枝折峠の周辺では湿度・水蒸気の供給源(奥只見湖)があり、標高の高い山々に囲まれているので冷え込みが大きくなるので雲海が発生しやすいといえます。
あとはある程度の風(風速数m~10mほど)があれば滝雲を見られる可能性が高くなります。
※逆転層とは放射冷却により地上よりも上空の方が暖かい状態のことをいいます
前日に雨が降って、夜から翌朝にかけて晴れると発生への期待大です。ぜひ天気予報を確認してみてください!
魚沼市の10日間の天気予報
(tenki.jp)
枝折峠で滝雲・雲海が発生しやすい時期と時間
発生しやすい時期は例年9月下旬~11月中旬です。
発生する時間帯は日の出~8時くらいまでの早朝です。
※気象条件が整わなければ発生しないので見られない場合もあります
※11月中旬以降は国道352号が冬季閉鎖されます
※冷え込む季節の早朝ですので防寒対策があると安心です
枝折峠のおすすめポイント

朝焼けに染まる滝雲はまさに絶景です
滝雲・雲海の絶景ポイントが多い!
枝折峠には駐車場があり、そこから徒歩でビュースポットに行くことができます。
ビュースポットはいくつか点在していて、それらのポイントには分かりやすい立て看板がありますので自分のお気に入りの場所を探すこともできます。
※一部のビュースポットは崖上の登山道を進むポイントもあるためご注意ください
※車道沿いにあるビュースポットでは通行にご注意ください
※照明設備が整っていない所もあるため、日の出前に行動をする場合は懐中電灯をご持参ください
枝折峠での滝雲・雲海のビューポイントマップ
※容量が大きいPDFファイルですのでご注意ください
紅葉も一緒に楽しめる!
枝折峠周辺では例年10月中旬~下旬にかけて紅葉が見ごろを迎えます。
運よく滝雲や雲海と出会えれば、紅葉とのコントラストを楽しむことができます。
シャトルバスツアーも催行される!
枝折峠までの国道352号は離合(すれ違い)がギリギリできるような道幅のポイントが多数あります。
早朝の細道での運転に不安がある方は魚沼市観光協会が主催するシャトルバスツアー「滝雲シャトルバス」(要事前予約)で行くのもおすすめです。
※ツアーへの参加の際にはマスク着用などの新型コロナ感染予防対策の実施をお願いします
魚沼市観光協会の主催ツアーにおける感染予防対策
(魚沼市観光協会公式サイト)
※PDFファイルが開きます
滝雲シャトルバス2020の利用案内
開催日
10月の毎週日曜日(例年)
2020年の催行予定日
10月
4日(日)、11日(日)、18日(日)、25日(日)
※前日17時までの事前予約が必須です
※気象条件によっては催行されない場合があります
料金
3,500円/人(税込)
※交通費・保険料込
※小学生以上は同一料金です
(未就学児は無料)
最少催行人数
4名
出発・経由地
①折立温泉を朝5:00に出発
②大湯温泉を経由
③栃尾又温泉を経由
④銀山平温泉を経由
⑤枝折峠に到着、滝雲鑑賞へ
※復路は終点が折立温泉になり、8:00着予定です
予約・お問い合わせ先
魚沼市観光協会
025-792-7300
まとめ
・枝折峠は全国的にも珍しい滝雲が見られるスポット
・滝雲・雲海は9月下旬~11月中旬に発生しやすい
・前日が雨で、夜から朝にかけて晴れていると発生への期待大
・10月の日曜日には周辺温泉地からシャトルバスツアーも催行される
・紅葉は10月後半に見ごろを迎え、奥只見湖にも足を伸ばしてみるのもおすすめ
肌寒い時期ですので暖かい格好で滝雲鑑賞を楽しんでください!
枝折峠の動画
枝折峠から見た滝雲・雲海のタイムラプス動画をご紹介します
枝折峠周辺にある雲海スポットもチェック!
南魚沼スカイライン
枝折峠から魚沼スカイライン(八箇峠入口)まで車で約60分
魚沼市の隣にある南魚沼市の八箇峠から十日町市の十二峠までの18.8kmを結ぶ観光道路です。
魚沼丘陵の尾根沿いの道で魚沼盆地で発生する雲海をいたるところで見下ろすことができます。
車から雲海を見られる駐車スペースや展望台も多く設置されているのでドライブコースとしてもおすすめです。
※冬季(11月中旬~4月下旬)は雪のために通行止めになります。
こちらの記事で詳しい情報を紹介しています
枝折峠の基本情報
利用案内
営業日
6月中旬~11月中旬
※国道352号線が冬季・雪のため閉鎖されます
2020年は6月12日(金)13時に通行止めが解除されます
過去の通行止め期間
2019年11月11日(月)9時~2020年6月12日(金)13時まで
2018年11月8日(木)16時~2019年6月21日(金)12時まで
2017年11月16日(木)17時~2018年6月15日(金)16時まで
魚沼市の交通情報紹介ページ
(魚沼市観光協会)
※国道352号線の項目をご確認ください
営業時間
指定なし
(24時間開放)
※雲海シーズンになると車中泊の方も多くいます
料金
無料
問い合わせ先
魚沼市観光協会
025-792-7300
枝折峠に関する各種情報ページ
枝折峠の紹介ページ
(にいがた観光ナビ)
枝折峠への行き方・アクセス
公共交通機関
2020年の路線バスの運行予定はありません
(2020年9月1日時点情報)
参考:2019年の路線バス運行情報
JR上越線・只見線「小出駅」より南越後観光バスに乗り、「枝折峠頂上」バス停で下車
※2019年7月8日(月)~10月14日(月・祝)の日曜・祝日のみ運行です
※1日1往復便のみ
※往路での枝折峠頂上バス停着は7時35分です
2019年バスの時刻表
(南越後観光バス)
※下段の「【急行】小出=大湯=枝折峠=銀山平 (枝折峠経由)」が対象ダイヤです
※2019年の情報なのでご注意ください
車
関越自動車道「小出IC」より、国道291号線、県道371号線、国道352号線(樹海ライン)を経由して約50分
※国道352号線(樹海ライン)では道幅が狭い道を通るのでご注意ください
※奥只見シルバーライン(対面通行道路)を利用した場合、銀山平から約15分です
駐車場
あり
(無料・約50台)
宿泊ツアーという選択肢も

※写真はイメージです
枝折峠は大都市圏から個人で行くとなると、移動になかなか骨が折れます。。そんな時に便利なのがガイド同伴の宿泊ツアーです。
主に東京や大阪から出発していて、観光スポットの周遊やガイド同行のハイキングプランなどが企画されています。
滝雲を鑑賞しつつ、お得に観光をしたい人にはおすすめです。
(といっても、滝雲が必ず見られるという保証はありません…)
>>枝折峠の滝雲鑑賞プランを含む宿泊ツアー一覧
(ヤフ-トラベル)
※時期や定員などによって受付していない場合もありますのでご注意ください
枝折峠の地図
新潟県魚沼市上折立
【エリア別】日本全国の雲海スポット
日本全国にある定番から穴場までamAtavi編集部がおすすめする雲海スポットを発生しやすい時期の一緒にエリア別でまとめています。本格的な登山が必要ない車やロープウェイなどで行けるスポットを中心にご紹介しています。
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