石川県の観光といえば金沢から始めるという方が多いのではないでしょうか。石川県の玄関口のひとつともいえる金沢市のお隣にある白山市には金運に非常にご利益のあるとして知られている神社があります。
今回は白山市にある、日本三大金運神社のひとつとも言われ、大企業の経営者も参拝に訪れるとも言われる金劔宮(きんけんぐう)を中心にご紹介します。
目次
金劔宮みどころ
2000年を超える歴史ある金劔宮へアクセス
白山七社のひとつに数えられる金劔宮は白山本宮・三宮・岩本とともに本宮四社と言われていました。白山七社の白山とは、石川県、福井県、岐阜県にまたがる霊峰白山のことを指し、白山七社は白山信仰に関連する神社として良く知られています。古来より日本には山岳信仰があり後の修験道にも通じてゆくわけですが、この白山は富士山や立山と並び日本三名山とも称されるほど古くから広く知られています。
富士山やその他多くの霊峰は、冬の雪解け水など周辺に豊富な水が流れ出し生命の源となり動植物を育むという側面を崇められたことが、山岳信仰の起こりのひとつではないかと考えられています。このような白山信仰に関連する神社のうちの七社の総称が白山七社なのです。
そのうちの一つである金劔宮の創建は紀元前とされており、ゆうに2000年を超える歴史ある神社で北陸最古の神社とも言われています。
御祭神は護国の英霊 天津彦火瓊瓊杵尊 菅原道真 大山咋命 少彦名命他とされています。(出典:神社本庁)
これほどの歴史ある神社なので、源義仲が倶利伽羅谷で平家の軍勢を打ち破った際に金劔宮の神恩だと馬を寄進した、足利、前田といった歴代の藩主からの崇敬も篤かったなど歴史上の人物との関わりや逸話などが数多く存在します。
現在では、ツアーも組まれることもあるほど有名な金劔宮ですが、このような歴史上の人物との関わり合いを見ると非常に長い間広範に名の知れた神社であったかというとそこまで有名ではありませんでした。
実際、加賀一之宮は白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)であり、こちらの神社のほうが広い地域でよく知られています。金劔宮が全国的に広く知られるようになったのはそれほど昔のことではありません。
この神社が近代において広く知られるようになったのは金運にご利益があると言われるようになったのが理由です!現在では日本三大金運神社とも言われ全国から多くの方が参拝に訪れるようになっています。
金劔宮が金運ご利益があると言われるきっかけになったのが、経営コンサルタントとして有名だった故船井幸雄氏です。彼がこの土地や金劔宮を紹介したことにより白山や金劔宮を知らなかった人たちにも広がりをみせ、現在では全国から多くの参拝者が訪れることとなりました。
金劔宮の本来のご利益・ご神徳とされているのは、健康・尚武です。金運に目が行きがちですが本来のご神徳にあずかれるよう本殿へのお詣りをしてみてください。
石川へお出かけの際は、参拝してみてはいかがでしょうか。
本殿はもちろん乙劔社も忘れずに参拝
金劔宮には多くの企業経営者や投資家なども参拝に訪れると言われており、中にはソフトバンクグループの孫正義氏もそのひとりだとか。
そんな金劔宮への参拝では本殿への参拝をもちろん、摂末社である「乙劔(おとつるぎ)社」へも忘れずに参拝することを忘れてはいけません。というのも、本殿を含め金劔宮の境内も清らかな空気に包まれていると言われますが、金運に一番ご利益があるとされているのが「乙劔社」なのです。
「乙劔社」にお祀りされているのは彦火火出見命(ヒコホホデミノミコト)で、山幸彦として知られています。農業や航海の神としての性格が強く、産業隆昌、海上安全といったご利益があるとされています。これだけを見ると、産業が発展するということを除いては金運とは直接的にはあまり関係なさそうに見えるのですが、近年この社のご祭神が金勝金目尊(カナカツカナメノミコト)であると言われるようになり、金運がご利益としてと言われるようになりました。
※金勝金目尊(カナカツカナメノミコト)は古事記や日本書紀に登場する神ではありません。
日本三大金運神社というからには三つの神社があるわけですが、金劔宮の他の二つは、山梨県の新屋山神社奥宮と、千葉県の安房神社と言われています。
金劔宮からの距離はありますが、こちらの二つの神社にもお近くの方や興味がある方は足を運んでみてください。
神社には本殿と拝殿のみがあり摂末社がないという神社が多くあるので、本社にのみお詣りされるという方もいらっしゃいますが、金劔宮の参拝の際には、ご紹介した通り「乙劔社」が重要な神様なのでお忘れなく併せてお詣りください。金劔宮には「乙劔社」以外にも複数の摂末社があります。金刀比羅社や恵比須社、粟島社、丈六社など日本武尊、猿田彦命、大山咋命、少彦名命等が祀られているので、ここはと思ったお社には併せて参拝されてみてはいかがでしょうか。
加賀一之宮は白山比咩神社へも併せて参拝しよう
地域で一番社格が高い神社が一之宮(一宮)とされますが、加賀國一之宮である白山比咩神社へもこの機会に参拝してはいかがでしょうか。白山(しらやま)さんの通称で親しまれている白山比咩神社は全国に約2,000ある白山神社の総本社でもあります。また奥宮は白山の山頂にあり登山を伴います。1泊2日の日程が組まれることも珍しくないので奥宮まで足を運ばれる方は服装や日程など事前の準備をお忘れなく。
白山比咩神社の本宮は、金劔宮からおよそ徒歩20分程度の距離にあり、ほとんど一本道なのでちょっとした運動程度で歩いてゆくことも可能です。また車であれば、数分でたどり着けます。神社の境内には奥宮への登頂がかなわない人でも参拝できる「白山奥宮遙拝所」があるので是非ご参拝ください。
白山比咩神社のご祭神とご利益
白山比咩神社のご祭神は、白山比咩大神(シラヤマヒメノオオカミ)=菊理媛尊(ククリヒメノミコト)、伊弉諾尊(イザナギノミコト)、伊弉冉尊(イザナミノミコト)の三柱で、ご利益は五穀豊穣・大漁満足・開運招福・家内安全・良縁成就・交通安全・生業繁栄・学業成就・身体健全・夫婦円満 等々多岐にわたります。
白山比咩神社では、他の神社同様に神前の結婚式を行うこともでき、白山比咩神社は特に縁結びの神様としても親しまれています。白山比咩神社のご祭神である菊理媛尊(ククリヒメノミコト)は、日本書紀のなかに伊弉諾尊(イザナギノミコト)と伊弉冉尊(イザナミノミコト)の仲裁役として登場し、仲直りをさせるエピソードがあります。このように男女の仲をとりもつ、またククリヒメのくくるとは、物をまとめるや結ぶの意をもつことから、縁結びの神さまとして昔から信仰されているのです。
金劔宮で金運を、白山比咩神社で縁結びをと、多くの方があやかりたいとされるこの二つのご神徳をいただけるまたとない機会です。
どちらの社もとても厳かな空機を感じられる、いわゆるパワースポットとも言われる場所なので是非お詣りください。
おついたちまいりとツアー
日本の各地には「ついたちまいり」という風習があります。よく知られたものでは元旦の初詣もついたちまいりです。ひと月を無事に過ごせた感謝や、新しい月の始まりに無病息災などを祈念して行われる古くからのならわしです。
そして、白山比咩神社では毎月1日の早朝4:30から「おついたちまいり」の特別祈祷があり、多くの参拝者が足を運びます。中でも正月・5月・9月は「おまいり月」とされて、通常よりも多くの参拝者で賑わいます。
そして、この白山比咩神社の「おついたちまいり」への参加、金劔宮への参拝、鶴来の町ガイド、地元食材をいかしたランチなどがセットになったバスツアーが元旦を除き毎月1日に開催されています。特別な「おついたちまいり」の他、二つの神社をバスで送迎してくれるうえに発着はJR金沢駅なので、金沢に宿泊している場合でも非常に楽です。
また帰りは希望者は兼六園周辺で下車も可能です。小学生以上8,500円ですのでご興味のある方は旅行会社 公式サイトよりご予約ください。
当然のことながら、各月1日のみ催行なのでご注意ください。(元旦は除きます)
金劔宮へのアクセス 交通手段などを紹介
金沢駅から電車で
金沢から金劔宮へのアクセスですが、電車を利用する場合はJR北陸本線と北陸鉄道石川線に乗車します。金沢駅から北陸本線を利用し西金沢駅へ行き、ここで乗り換えになりますが、徒歩で移動する必要があります。徒歩で10分弱の場所にある北陸鉄道石川線の新西金沢駅まで移動し、約30分電車に揺られ終点の鶴来駅まで行きます。
鶴来駅からは徒歩で約10分程度で金劔宮へ着くことができます。但し、各線の本数があまり多くないことと乗継がうまくいくかにどうかにより所要時間は大きくことなります。北陸本線はピーク時は15分に一本程度走っていますが、西金沢駅に停車する電車は大抵のピーク時以外は30分に1本程度です。
JRおでかけねっと 金沢駅時刻表※北陸本線をご確認ください。
北陸鉄道石川線は少ないと1時間に1本程度になります。このため大抵の時間帯で金沢駅から鶴来駅まで1時間以上かかることになります。乗り遅れ等があればさらに時間を要するので、事前の確認及び余裕を持った移動を心がける必要があります。乗換え時にも道の間違いなどで時間のロスをしないようにお気を付けください。
北陸鉄道 新西金沢駅 時刻表
西金沢駅から新西金沢駅までのルート(NAVITIME)
金沢駅からバスで
金沢駅から鶴来駅まではバスでも行くことができますが本数は少なく(1日5便程度)、途中駅から北陸鉄道を使うルートになる可能性が高いです。また、乗るバスの便により途中乗車も異なるので事前によく調べておく必要があります。また、時間も電車以上にかかります。
金沢駅からタクシーで
金沢駅から鶴来駅までタクシーで行く場合は、およそ5000円~6000円程度の費用がかかります。4人で乗車した場合、一人1500円程度(片道)なので人数が多い場合には選択肢としては検討の余地があるのではないでしょうか。時間も一番早いです。
同行人数や、移動時間のほか金額的な部分も考慮してレンタカー等の利用も検討されてはいかがでしょうか。また観光タクシー等もあるので複数の場所をまわる場合にはそれぞれご検討ください。
鶴来駅から白山比咩神社まではおよそ40分程度かかります。金劔宮と併せて白山比咩神社へ参拝される場合は、レンタルサイクルも便利です。駅から程近い白山市鶴来支所1Fの白山市観光連盟で借りることができます。
営業時間は9:00~17:00
種類:
・電動アシスト付き自転車 800円/日
・普通自転車 500円/日
問合せ:076-259-5893
是非ご活用ください。
御朱印について
金劔宮は非常に長い間、歴史上の人物や地域の氏子の方々に親しまれ崇敬されてきた神社です。その歴史は2000年以上となりその深さがうかがえます。さて、本来金劔宮は鶴来町の氏神様で地域の方々をお守りする神社で、祀られているのは健康・尚武の神さまだというのが金劔宮の公式な見解です。
しかし、ここ数年はメディア等の影響で全国的に金運の神さまとして認知されるようになり、参拝者が増えたことにより禁足地に足を踏み入れるなどマナーの低下が目立ち始めていること、御朱印が転売等されていること、加えて新型コロナウイルスの影響にもより御朱印については現在中止中となります。
※再開可否、再開時期不明(神社に直接ご確認ください。)
御朱印の授与が再開されるかは定かではありませんが、神聖な場所となっているのでマナーを守り心静かにお祈りすることをおすすめします。
周辺のホテル・宿泊施設
金劔宮の動画
スライドショー動画をご紹介します。
金劔宮の基本情報
利用案内
営業日
年中無休
営業時間
社務所
9:00~12:00、13:00~16:00
休業日
なし
料金
無料
問い合わせ先
金劔宮
076-272-0131
金劔宮に関する関連ページ
石川県神社庁 金劔宮
うらら白山人(白山市観光連盟公式サイト)金劔宮
金劔宮への行き方・アクセス
公共交通機関
北陸鉄道石川線 鶴来駅 徒歩約10分
車
北陸自動車道 白山I.C.から約30分
金沢駅から約40分
駐車場
あり
金劔宮の地図
あわせて読みたいおすすめの記事
石川エリアの記事
神社・仏閣の関連記事