福岡は博多駅周辺、天神周辺、大宰府、北九州、小倉などなど、主要なエリアが多く見どころがたくさんあります。
他にも油山、能古島など割と手軽に行ける場所に自然も多く残っていて奥が深い観光地として人気です。また全国の主要都市から航空便の本数も多くとても便の良い場所です。
そんな福岡には『猫の島』とも呼び声の高い島がいくつか存在します。今回はそのうちのひとつ「相島(あいのしま)」をご紹介します!
目次
福岡県 相島 猫島のみどころ
福岡県糟屋郡新宮町から船に揺られることおよそ20分の場所に「相島」は位地します。
島の周囲は約8㎞と比較的小さい島に該当するともいえる島で、島の東端の海上には海食(波の浸食)により穴の開いた「めがね岩」(別称:鼻栗瀬)があります。これは九州自動車道の新宮町境界標識に街のシンボルとして描かれていたりします。
人口約300人程度の島ですが小学校や中学校もあります。全国的に人口減少問題が長らく進行中ですが、相島でも人口減少が進んでいつために移住促進を順次進めているようです。公式サイトでは空き家バンクなどの情報も更新してゆくようなので、猫が大好きで海に囲まれた豊かな自然の中で生活してみたいという方は検討されてはいかがでしょうか。
あのエドシーランも恋した!?猫の島
エドシーランと言えば、2014年の来日時には猫カフェを訪れたり、自身のInstagram上にたびたび猫を登場させ、「猫好きなミュージシャン」として認知されています。おまけにグラミーまでも獲得しているエドシーランは非常に知名度の高い歌手です。
そのエドシーランを”この猫島とも呼ばれる相島に呼んだらきっと喜んでくれるに違いない!世界に向けて相島をPRするチャンスにもなるはず!”との想いから、エドシーランファンの職員さんの企画が発展し、なんとエンドロールにお手紙付のミュージックビデオを作ってしまったのです!!
その情熱と行動力には感服です!
ご興味のある方は映像(YouTube)を確認できます。
このようなアピールに値するほど、この島には多くの野良・飼い猫を問わずたくさんの猫がいるのです。島の猫たちは人懐っこい表情を見せてくれますが、だからと言って触ってほしいのかというのはまた別!ですが、そんな気まぐれなところも猫たちの魅力です。
そんな猫の島ともいわれる相島に是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
福岡県 相島 猫島のおすすめポイント
ルール順守で楽しもう
猫島である相島では猫たちとの触れ合いにルールがあります。
1.えさやりをしないで
2.親猫から子猫を離さないで
3.猫にマタタビを与えないで
4.無断で民家の敷地に入らないで
5.島のひとたちの暮らしを尊重してマナーを守って
少し多く感じるかもしれませんが、よくよく見てみると当たり前のことばかりですよね。
2017年にはNHKの「ダーウィンが来た」で2回にわたって特集された相島の猫たち。大規模な生態調査なども行われました。ますます人気で、認知度も増してきた相島ですがそれに伴いルールをどうしても守れない方がいるのも事実です。
是非行ってみたい!と思われた方は、皆が、そして猫たちが気持ちよく過ごせるように、どうぞルールを順守してほっこりしながら見守ってあげてください。
猫の島は世界認定?
2013年にアメリカのCNNニュースに宮城県の田代島と並んで猫の島として紹介されました。世界で5か所(日本は2つなので計6か所)の紹介の中に相島が入っているのですから驚きです。
それから5年、国内外からさらに多くの観光客が訪れる場所となりました。日本人でも知らない人が多い場所を海外の方が訪れてくれる。本当にここ数年の日本を訪れるインバウンド観光の需要には驚かされます。
相島は都市部の博多からもそれほど遠くなく、船には乗りますが交通機関を利用しても行きやすい場所です。それもまた世界の人を惹きつけている理由のひとつなのかもしれません。
猫だけじゃない 自然も史跡も楽しむ
猫の島をここまで推してきましたが、この島の魅力は猫だけではありません!
相島は実は歴史も古く、日本書紀や万葉集にも登場します。また豊臣秀吉の朝鮮出兵の際には海岸の石を兵士が一人一つずつ盛り千手観音像に航海安全と朝鮮征伐の勝利を祈願したとも伝えられています。(太閤潮井の石※新宮町 公式サイト)
更に島の北東の長井浜には積石塚があります。積石塚とは死者を埋葬するために土を盛り様々な古墳が作られた時代に、墳丘を石だけで造ったり、石と土を混ぜ合わせて作った古墳の呼称です。
しかも新宮町に大規模な積石塚群があると確認されたのは1992(平成4)年と比較的最近のことです。調査の結果254基確認され、全国的に珍しい遺跡だとわかり2001(平成13)年には国指定の史跡に指定されています。
猫の島として有名な相島ですが、それよりもずっと以前からこの国の歴史とともにあった島でもあります。是非、「相島積石塚群」も併せてご覧の上、その先に見える美しい水平線も堪能してください。
レンタサイクルで楽々島内めぐり
相島ではレンタサイクルを貸し出しています。海と猫たちを眺めながらのサイクリングは晴れた日には絶好のレジャーになるのではないでしょうか。
残念ながら事前予約は出来ないので、レンタサイクルを借りる場合には島に着いたらお早めに相島観光案内所へ向かってください。※台数には限りがあります。(Googleマップ)
電動自転車(2時間1,000円 延長1,000円/1時間)で観光案内所で利用申請書に住所氏名・電話番号を記入し利用料を支払うことで借りることができます。
貸出時間は、3月~10月は10:00~17:00(最終受付15:00)で、11月~2月は16:30まで(最終受付14:30)となっています。
お問い合わせは新宮町観光案内所(JR新宮中央駅直結)092-981-3470まで。
※新型コロナ流行以降中止になっている場合があるので直接お問い合わせください。
福岡県 相島 猫島の関連イベント・プラン
相島に来たら「鼻栗瀬(はなぐりせ)」は外せません。島の東300mの海上にそそり立つその全体は玄武岩でできており、高さは20m、周囲は100mと雄大です。
海食洞(波の浸食で出来た洞)がありめがね岩の名で親しまれています。現在では県指定の文化財にも指定されています。必見です。
また「遠見番所跡」も歴史好きなら見ておきたい場所。鎖国令のあと黒田藩が置いた5か所の遠見番所のうちのひとつです。もちろんかつては物見櫓が立っていましたが、現在ではその名残の石垣のみが遺っています。当時をしのびながら、遠くの水平線を眺めるのも楽しいのではないでしょうか。
福岡県 相島 猫島の動画
やはり相島の猫には癒されます。
福岡県 相島 猫島の基本情報
利用案内
町営渡船 営業概要
時刻表
※時刻表その他の情報は予告なく変更になる可能性があるので事前に運営元にご確認ください
期間 | 相島発 | 新宮発 |
---|---|---|
3月1日~10月31日 | 7:00 | 7:50 |
8:40 | 9:20 | |
10:50 | 11:30 | |
13:50 | 14:30 | |
16:00 | 16:40 | |
17:30 | 18:10 | |
11月1日~3月31日 | 7:00 | 7:50 |
8:40 | 9:20 | |
10:50 | 11:30 | |
13:50 | 14:30 | |
17:00 | 17:40 |
町営渡船料金
大人片道:480円
小児片道:240円
※小児料金は小学生以下に適用されます
大人1人に未就学児1人までは大人料金のみ
1歳未満は無料
荷貨物には運賃がかかります
問い合わせ先
渡船についての問い合わせ先:新宮町役場 産業振興課 または 相島渡船待合所
連絡先092-962-0238 または 092-963-0304
福岡県 相島 猫島に関する各種情報ページ
町営渡船「しんぐう」の運賃案内 (新宮町公式サイト)
※運賃情報等の詳細情報があります
新宮navi
※最新情報等も載っている一般社団法人新宮町おもてなし協会 公式サイト
福岡県 相島 猫島への行き方・アクセス
公共交通機関
博多駅(JR鹿児島本線 小倉行)→ 福工大前駅行 → 相らんど線(バス) →相島渡船場
→ 徒歩 1分 →新宮 → 相島渡船待合所(町営渡船しんぐう) 約1時間半
博多バスターミナル(西鉄バス 大濠公園行 [昭和通 天神])→ 蔵元 ここで乗換(赤間営業所行 [都市高速 福間 東郷])
特別支援学校前 ここで乗換( 相らんど線(バス)) → 相島渡船場
→ 徒歩 1分 →新宮 → 相島渡船待合所(町営渡船しんぐう) 約1時間40分
車
博多駅から
福岡都市高速環状線→ 福岡都市高速1号香椎線→ 都市高香椎東 → 国道3号 → 国道540号
→ 県道537号→ 新宮漁港 駐車場 → 船 → 相島渡船待合所 約1時間
駐車場
新宮漁港 駐車場をご利用ください。
福岡県 相島 猫島の地図
Tea break -Cover Story-
あとからきたりて さきにゆく
むかし猫を飼っていた。
もともと兄夫婦が飼っていた彼は、巡り巡って我が家の一員になった。
散歩のとき以外、家猫(外に出ない)だった彼は、放任主義のうちに来てもはや出入り自由の生活を手に入れた。
構いすぎるのをことごとく嫌う彼は、特に私のことが嫌いだったようだ。
家の中ですれ違う時には小走りに過ぎ去り、捕まらないように必死だった。
そのくせ、おもちゃで威嚇するとしまいには飛び掛かってきてよく手を噛まれた。
あまがみじゃなく、マジがみ。
夜中になると足をつって目が覚めることがよくあったが、気づくとベッドの足元に丸くなっている彼がいた。
いつでも、どこへでも行ける自由を手に入れた彼は、同時に危険も手に入れた。
ある時は、命からがらな様子で帰ってきた。
自慢の長い尻尾は、血まみれでだいぶ毛が禿げた状態で。
慌てて病院に連れてゆくと、緊急オペが行われた。
先生曰く、猫の尾は背骨と一緒らしくこのままでは死んでしまうところだったそうだ。
そんなこんなで、悲しいことに彼の尾は一瞬にして消失した。
しばらくの間は、いつもの元気がまるでなく、もうこのまま回復しないのではないかの様子で
大嫌いなはずの僕の手からエサを食う始末だった。
1週間を過ぎたころだったろうか、徐々に元気を取り戻し、ひと月もたつ頃には僕との格闘の日々に戻っていた。
人間よりも寿命が短いなんてことは分かっていたけれど、そんなじゃれあう日々は永遠に続くのではないかと
勝手に錯覚していた。
数年の後、彼は此の世を去る。
あの日と同じように重い足取りで戻ってきた彼の様子があまりにもおかしいので病院に連れてゆくと
尿道結石という診断だった。
銃で石を砕くと、彼の膀胱から多量の尿が出た。
彼は瀕死だった。おそらく先生は死を予感していたのかもしれない。
明朝に再度診察に来るようにと返してくれた。
今回の彼はぐったりと階段の踊り場で丸くなり、何を与えても食べても飲んでもくれなかった。
夜通しうつらうつらしながら、彼のそばで見守っていた。
朝を待っていた。早く病院に連れてゆきたくて。
間もなく出かけようというその時、彼は脱兎のごとくどこにその力が残っていたのかもわからないくらいの勢いで駆け出した。
慌てて追いかけると、家の隅で力尽きた。
彼の目が段々と濁り、彼がこの世から旅だったことを知った。
死を予感し、姿を隠そうとしたと思われる彼の力は、最後は及ばず道半ばで途絶えたのだろう。
一瞬にして喪失感が全身を包み、頭は思考を停止し、代わりに涙だけがあふれた。
僕は彼が好きだったのだ。かけがえのない家族になっていたのだとこの時初めて身に染みた。
どのくらいそうしていただろう。僕は迷いなく喪服に着替え、そして大切な場所に彼を埋葬した。
動かなくなった彼をそっと土の中に横たえるとき、また涙があふれてきた。
あんなにも死と別れを悲しく思ったことはあとにも先にもない。
それから僕はペットを飼うことはなかった。
いま目の前で、自由に優雅にわがままに、じゃれあい、寝転がる猫たちを見ていると
うっすらと元気で、生意気で、それでいて可愛い彼のことを思い出し、心がくすぐったく感じる。
そして、波乱万丈な彼の生涯を思い、改めて冥福を祈るのだ。
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