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福島で出会う国宝 白水阿弥陀堂
福島県は雪深いエリアも多く、ウインタースポーツや温泉を目的に訪れる方も多いエリアです。
また、喜多方ラーメンや桃といった全国的に有名な食べ物も多いです。歴史的にも古く鶴ヶ城(会津若松城)なども有名です。
そんな福島県には県内で唯一のとなる国宝指定された建造物があります。今回はこの国宝にも指定されている「白水阿弥陀堂」を中心にご紹介します。
平安期の建造物では東北でたった2つの国宝
鎌倉時代に入るまでの建造物で国宝指定されているものは、そのほとんどが奈良や京都を含む関西圏に集中しています。その時代に栄えた場所なので建造物も多く当然の結果かもしれません。
この時期の建造物で国宝として指定された建造物のうち近畿圏以外のものは、大分・高知・鳥取にぞれぞれひとつと岩手・福島にひとつずつとなっています。岩手の国宝指定の「中尊寺金色堂」は世界遺産にも指定されたのでご存知の方は多いのではないでしょうか。
そしてもうひとつが福島の「白水阿弥陀堂(しらみずあみだどう)」です。1160(永暦元)年に建立と言われていて平安後期のかなり古い時代の建物です。希少性もさることながら、その佇まいは味わい深く非常に人気があります。
しかし「中尊寺金色堂」に比してそこまで知名度も高くないので、これからますます人気の出そうなスポットです。実際に足を運べば周辺の景観との融合に心を奪われるのではないでしょうか。
白水阿弥陀堂のおすすめポイント
ライトアップが美しい紅葉の見ごろ時期と浄土式庭園
「白水阿弥陀堂」は浄土式庭園(単に浄土庭園と呼ばれる場合もあります)という形式の日本庭園が築造されています。浄土式庭園は鎌倉時代から平安時代にかけ多く造られました。浄土式庭園の浄土とは平たく言うととても清浄で仏や菩薩が住まう場所だとされています。
それをこの世に表現した庭園が浄土式庭園です。このような浄土式庭園と呼ばれる庭園では世界遺産の構成遺産のひとつでもある毛越寺(岩手県平泉町)や平等院(京都府宇治市)などが有名で、既にご紹介した通り「白水阿弥陀堂」は平泉ととても所縁が深いです。
この浄土式庭園及び「白水阿弥陀堂」は秋の頃になると紅葉も美しいので非常に人気も高く多くの参拝者が訪れてはその美しさを堪能しています。また、この時期に併せて実施されるライトアップは池の水鏡がその美しさを際立たたせています。
2022年紅葉ライトアップ情報
例年紅葉の見ごろは10月下旬~11月下旬で、ライトアップが実施される時期は毎年変動します。大イチョウとカエデの紅葉・ライトアップは必見です。
2022年 アミダナイト開催概要
ライトアップ期間:2024年11月3日(日)~12日(火)
ライトアップ時間:17:00~20:30(受付は20:00まで)
拝観料:大人(中学生以上) 1,000円/小人(小学生) 500円/未就学児童 無料
期間中には駐車場内にキッチンカーも特別出店し日替わりで軽食を楽しめる予定です。マスクなどをお忘れないよう暖かくしてお出かけください。
紅葉やライトアップも魅力ですがほかの季節にも、紅梅・白梅(3月中旬~3月下旬)・ヤマザクラ(4月初旬~4月中旬)・アヤメ(5月下旬~6月中旬)・蓮(7月中旬~8月中旬)・萩(9月中旬~10月初旬)と四季を通して美しい花を楽しむことができます。
夏の頃の蓮(ハス)もとても人気があり多くの方が足を運びます。
県内唯一の国宝建造物 白水阿弥陀堂
福島県には国宝が3つあり、ひとつは彫刻の木造薬師如来坐像及び両脇侍の月光菩薩立像・日光菩薩立像、もうひとつが書跡である一字蓮台法華経開結共(巻第六欠)です。(巻第六欠)とあるのは、本来全十巻ですがうつ六巻が欠け九巻が現存するという意味です。
このどちらも平安期のものとされる相当に歴史のある国宝です。そして最後に「阿弥陀堂(白水阿弥陀堂)」です。先に挙げた2つと同様に平安期のものと考えられていますが特筆すべきは「阿弥陀堂(白水阿弥陀堂)」が建造物では唯一国宝に指定されているという点です。
このように、福島県の国宝は平安京に都がある平安期に此の世に誕生したものばかりです。前項でもご紹介した通り平安期に建立された国宝建造物では同じ東北・岩手県の中尊寺金色堂が有名で世界遺産にも指定されています。
「白水阿弥陀堂」の内部は極彩色の絵画で埋め尽くされていて、それは「中尊寺金色堂」を模したと言われるほどです。また「白水阿弥陀堂」を創建したとされる徳姫は奥州藤原氏の出ということもあり「白水阿弥陀堂」は奥州平泉文化の影響を色濃く受けていると言われていて、実際似たところが多くあります。
「中尊寺金色堂」と並び東北三大阿弥陀堂にも数えられる「白水阿弥陀堂」へ参拝してみてはいかがですか。
御朱印は拝観前に
御朱印は本来、寺社に写経を納めた(納経)方に証としてお渡ししていたといわれています。
その為当寺では拝観されない方にはお渡ししておりません、拝観受付と同時にお声がけください。
出典:国宝 白水阿弥陀堂 真言宗智山派 菩提山願成寺 公式サイト
上記の通り拝観受付の際に声をかけお願いします。御朱印は300円です。拝観料と共にお納めください。
住職の説明が急に始まるので驚いたという声も多く聞かれますが、詳しく説明してくださいますので、内容をしっかりと聞けば、より「白水阿弥陀堂」を理解できるのではないでしょうか。
拝観の前に御朱印のお願いをして、帰る(出る)際に受け取るという形になっています。また、団体で足を運びまとめて御朱印をお願いする際には代表の方がまとめてお願いするとスムーズです。
また、御朱印帳が数十冊をとなるような場合には事前に帳面に貼り付ける紙の御朱印をご用意いただだけるので事前に拝観予約をするとスムーズです。
毛越寺や平等院に足を運んだことがある方は同じ浄土式庭園である「白水阿弥陀堂」を訪れてその差異を比べてみるのも楽しいのではないでしょうか。
阿弥陀堂の外観や内部も見どころは多いですが、庭園の散策や池の風情、季節毎の見どころも是非お忘れなく楽しんでみてください。
白水阿弥陀堂の動画
素敵な動画をご紹介します。
白水阿弥陀堂の基本情報
利用案内
営業時間
4月~10月 8:30~16:00(閉門)
11月~3月 8:30~15:30(閉門)
※拝観受付は閉門15分前までになるのでお間違いなく
休業日
- 毎月第4水曜日(12月は第2水曜日・木曜日)
- 2月3日(節分会)
- 春分・秋分の日(彼岸会)
- 8月12~16日(盂蘭盆会)
- 8月24日(万灯会)
- 12月25~31日(寺務納め・元朝会準備)
上記以外で
1月1日~3日|8月5日・6日|12月31日 は堂内拝観不可(堂前参拝は可)
1月26日(文化財防火デー)直前の日曜日は防火訓練の為、拝観は午後からのみ
但し26日が日曜日の場合、26日当日に防火訓練を実施
その他山内宗教行事や台風(大風・大雨)、積雪等の天候不順により臨時休寺の場合あり
料金
大人(中学生以上)500円|小人(小学生)300円|未就学児 無料
※団体割引あり
問合せ先
願成寺本坊・白水阿弥陀堂寺務所
0246-26-7008
白水阿弥陀堂に関する各種情報ページ
白水阿弥陀堂へのアクセス・行き方
公共交通機関
JR常磐線いわき駅→川平行きバスあみだ堂バス停 徒歩5分
いわき駅からのバスの時刻表は新常磐交通 公式サイト、または電話にて(0246-46-1646)で問合せください(平日8:30~17:30)
※公式サイトから時刻表検索→時刻表検索 の順にクリックし停留所名に「いわき駅前」を入力して検索すると「いわき駅前」が表示されるのでクリック。
候補の中から「川平」があるものをクリックすると時刻表が表示されます。
お出かけの日程に該当する曜日を選んでご確認ください。※行先:川平 経由:あみだ堂 のものをご確認ください。
車
常磐自動車道いわき湯本ICから車で約15分
駐車場
あり(無料)
※白線や縁石等はないので駐車位置等ご注意ください
※また境内にお手洗いがないのでこちらの駐車場でお済ませください
駐車場入口
白水阿弥陀堂の地図
願成寺本坊は少し位置が違うのでご注意ください
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