宮崎県串間市。そこには、自然を体感できる場所があります。
海、灯台、野生の馬。そこに立つだけで日常をすべて忘れるような開放感に包まれるような感覚を味わる場所、それが都井岬です。
今回は野生馬や火まつりでも有名な宮崎県の都井岬を中心にご紹介します!
都井岬のみどころ
馬・馬・仔馬 都井岬の代名詞といっても過言ではない野生馬
都井岬というと天然記念物指定にもなっている「御崎馬(みさきうま)※岬馬ともいう」が一番に語られることが多く、ほぼ野生で育つ馬たちの生息地として有名です。
高鍋藩(かつて日向国に存在した藩)秋月氏により、1697(元禄10)年に福島地方(現在の串間市)に設置された藩営の牧場の1つ(全部で7つの藩営牧場を設置)が御崎牧でした。
その開設から300余年の間、周年放牧(1年中放牧しておく)で飼育され繁殖も全くの自然にまかされていました。つまり、ほぼ野生で生きているのと変わりません。明治時代には国の施策で外来馬が投入されたこともありましたが、影響は限定的で純粋度の高い日本在来馬として今なお大切にされています。
現存している日本の在来馬で(他に7種)、1953(昭和28)年に純粋な在来馬として国の天然記念物となります。このような貴重な馬たちではありますが、人目に触れる場所で草を食み、人を怖がる素振りも見せず悠然と生きています。
ほぼ野生の馬たちが数多く存在し、なおかつ人と共存しているこのような場所なかなかないですよね!
毎年生まれる仔馬の愛くるしさや、馬の群れ、そして牧場や厩舎で見ることのできる馬たちとはまったく異なる内国産の種である岬馬は一見の価値があります。
ほぼ野生というように、馬に餌やりなどをすることもないので岬馬は純粋に草を食んで生きています。当然ですが餌やりや馬に触れることは禁止しています。人に怯えることなく、時には馬のほうから人に近づいてよ来ることもありますが、適度な距離を保ちながら都井岬の馬との時間を楽しんでください。
他にもまだまだ見どころがありますので順にご紹介します!
都井岬のおすすめポイント
都井岬の灯台も魅力的
まずは、都井岬にはシンボルとなる「都井岬灯台」があります。
宮崎県の最南端に位置し、海の青と岬の緑、空の青に囲まれたその場所に白の巨塔がとても映えます。1929(昭和4)年に初点灯した際には、光源は石油ランプの弱々しいものだったといいます。
1944(昭和19)年に電化され、光もとても強いものへと変貌を遂げますが、1945(昭和20)年の空襲、1950(昭和25)年の台風により、建設当時のものは今ではコンクリートの灯塔のみとなっています。
ですが、現在も昔と同様、屋根を陸屋根として周囲に欄干を設置し、灯塔から出入りする屋上庭園になっています。その設計は、当時から斬新だと評判だったそうで、現在でも現役灯台として活躍中です。
また、有料ですが九州では都井岬灯台のみが観覧可能になっています。
ロケーションもとてもよく遠くから見ても趣きがありますが、九州で唯一観覧可能な灯台と言われると行きたくなってきませんか?
※料金や利用時間を記載しておりますが、予告なく変更になる場合があるので事前にお確かめください。
都井岬灯台 観覧概要
大人:300円(中学生以上)
子供:無料(小学生以下)
参観時間 9:00~16:30 無休
※台風等の危険時、参観不可
お問い合わせ TEL:0987-76-1838
縁結と航海の神様は1300年前から!!
「御崎神社(みさきじんじゃ)」は都井岬の最先端に奉祀されている神社です。
※この更に先から見ますよ!
岬の南方に6㎞あまり突出しています!つまり、断崖に嵌め込まれた本殿を下から拝観するというスタイルでの参詣になります!
本殿の周辺にはソテツの自生林があり、海の眺めも美しくファンタジーの世界に飛び込んだのかと思うような景色が広がります。ここでしか味わえない空気を存分に堪能してください。
ご祭神は
・上津綿津見神(うわつわだつみのかみ)
・中津綿津見神(なかつわだつみのかみ)
・底津綿津見神(そこつわだつみのかみ)
創建はかなり古く、708(和銅1)年戊申6月と伝えられています。1873(明治6)年5月に都井神社に合祀されましたが、旧社殿への参拝が絶えず、1880(明治13)年に鹿児島県庁により許可され旧社殿(現在の社殿)に還社されました。
それだけ多くの人にこの場所は愛されていたんでしょうね。また、航海安全と縁結というご利益からも、海がとても身近で人と人とのつながりが大切な空間がそこにはあったのではないでしょうか。
そのようなことに思いを馳せながら、素晴らしい景色と気持ちのよい海風に吹かれながらお参りしてみてはいかがでしょうか。
都井岬での宿泊
大自然を満喫できるうえに野生馬との遭遇確率も非常に高い都井岬。但したどり着くまでに少々手間がかかります。そのため日帰りではなく宿泊で訪れる方も多いです。
都井岬での宿泊は
都井岬 国民宿舎(楽天トラベル)が人気があります。建物自体は年代物ですが、掃除などのメンテナンスも行き届いていて宿泊してよかったという声が多く、都井岬の星空や自然の景観、馬、夏の火まつりを目当てに宿泊する方が多い人気の宿です。
他には民宿 海洋荘はレストランも運営していて、海鮮がうまいと評判です。0987-76-1354(FAX兼用)|携帯:090-4349-1428※WEB予約なし
お店の食べログページはこちら
都井岬黄金荘(Yahooトラベル)は目の前に見渡す限り太平洋が広がり眼下はソテツの自生林、その下は荒波が打ち寄せる磯という絶好のロケーション!夜には漁火がきらめき、見上げる空には星、ホシ、ほし!この絶景は見逃せません。
このように泊りで訪れた夜の空の星、朝焼け、夕焼け、と見逃せない情景がたくさん詰まっています。また、海鮮も美味しいので是非泊りもご検討ください。
ビジターセンター閉館と同時に誕生!ランチにもぴったり新しい「観光交流館パカラパカ」と馬
都井岬のビジターセンターは有料でしたが、体験メニューやお土産購入ができることに加え、野生馬と周辺に住む動植物や歴史建造物の野外ガイドなど都井岬観光を楽しむうえで欠かせない存在でした。
長い間活躍したビジターセンターでしたが、2020年3月31日をもって残念ながら終了となってしました。
しかし、新しい観光拠点ともいうべき施設が2020年4月1日からビジターセンターと入れ替わるように誕生しました。
その名も都井岬観光交流館 Pakalapaka(パカラパカ)です。
都井岬の屋内型休憩施設は今回が初となり、バリアフリーのトイレは24時間開放という充実度。もちろん授乳室も完備しているのでお子様連れでも安心です。
そんな都井岬観光交流館 Pakalapakaでは食事も、地場産品のお土産の購入も可能です。特に食事では串間産しらす丼(800円)が人気メニューになっています。マンゴージュースや日向夏ジュース、マンゴーパフェ(パカマンゴーパフェ)など宮崎県らしいメニューも並びます。
パノラマビューを楽しめるガラス張りの席からは、食事をしながら敷地内を歩く馬を見るチャンスがあるかもしれません。ランチにもぴったりで、2020年4月オープンの施設は真新しくピカピカで気持ちよく過ごせます。しらす丼は不可ですが、一部のメニューはテイクアウトも可能なので立ち寄るだけでも楽しいはずです。
また、エコツーリズム(環境省)など、串間市の魅力を最新の映像機器やVRで紹介するコーナーも必見なので是非ご活用ください。
ビジターセンターでも好評だった野生馬ガイド体験(予約必須)も楽しめます。大人1,500円 小人1,000円で約1時間のコース。馬の生態やこの地にいる理由などガイドならではの解説を交えながらの1時間を楽しんではいかがでしょうか。
都井岬観光交流館 Pakalapakaでも出会うチャンスはありますが、やはり都井岬に行ったら車を運転していても群れをなして目の前を横切ることもある「御崎馬」に出会うのが都井岬観光の楽しみのひとつではないでしょうか。
想像している馬(競走馬などで見るサラブレッド)よりも、小さく感じるかもしれません。ですが、雄大な自然のなかを何百年もの間つないできた命の群れを、大自然のなかで目にするとき、飼育管理された馬と出会う時とはまた違う感動を覚えるはずです。
草を食む姿や子連れの姿、そのすべてが広がる空や海に溶け込み、他ではなかなか味わえないような体験をできることは間違いないと思います。あちらこちらで馬に遭遇するという声が多く、時期やタイミングによっては「それほど見れなかった」という声もあるものの、飛び出し注意と言われてもおかしくないほど一般道にも現れます。そのため、車で観光する場合には運転には十分注意してください。
御崎馬の出産シーズンは3月から8月と言われていて、4月・5月に最も多く生まれるので若駒たちを見に行くのも楽しいのではないでしょうか。また、最近では暑い夏場よりも秋口に活発に活動する姿も目にされているようです。
都井岬の関連イベント・プラン
都井岬で馬や自然を見た後は、動物つながりで、無人島で猿体験はいかがでしょうか。
串間駅からはバスで行ける「幸島」は「幸島の猿」で有名になりました。
その理由は「イモ洗い」行動が原因です、1953年に1頭の小猿がサツマイモについている土を落とすために、小川で洗い始めた。次第に他のサル達も同じ行動を取るようになりました。この様な1つの行動が他の固体に伝播し継続する事は『文化』であるとされ、人間以外は文化を持たないとされた風潮の中で『文化を持つサル』として世界的に有名になりました。
幸島に渡るには渡船を利用する必要があるので、「一般社団法人 串間市観光物産協会」へお問い合わせください!
渡船の利用はご予約が必要になる場合があるので、こちらをご確認ください!
都井岬の動画
こんな馬たちをすぐそばで見ていたら癒されますね!
素敵な動画をご紹介します!
都井岬観光交流館 PAKALAPAKA(パカラパカ)の基本情報
利用案内
営業時間
9:00~17:00
休業日
火曜定休
※季節により営業する場合、臨時休業の場合もあるので公式サイトのお知らせをご確認ください。
臨時休業などのお知らせは公式facebookからのも確認できます。併せてご確認ください。
問い合わせ先
都井岬観光交流館 パカラパカ
連絡先:0987-27-3477
住所 :宮崎県串間市大字大納42番地3
都井岬に関する各種情報ページ
都井岬への行き方・アクセス
公共交通機関
宮崎空港 →JR宮崎空港線 田吉 →JR日南線 串間 →串間市コミュニティーバス よかバス 都井岬
車
一ツ葉有料道路→ 宮崎自動車道→ 県道28号線→国道222号線→志布志街道/県道54号線→ 県道3号線→ 国道220号線 →国道448号線→ 県道36号線→ 都井岬 約2時間
駐車場
あり
都井岬の地図
Tea break -Cover Story-
馬と僕とのノスタルジー
小さいころの週末、たまに親父が競馬場へ連れて行ってくれた。
親父は、土日も仕事がある人だった。
競馬場へは、いくつかの電車を乗り継いで行く。
子供にとって、電車でのお出かけは車とはまた違う喜びだった。
載り慣れた駅を過ぎ、ここからは一人で帰れないからはぐれないようにしないと
と思うと、少し手に汗をかいたりして。それでも、その特別な時間を今でも鮮明に覚えている。
競馬場に着くと、そのすごい数の大人たちに圧倒された。
ある人はビールを片手に、ある人はトランジスタラジオにイヤホン姿で
思い思いにその場所に溶け込んでいた。
親父に手を引かれて、パドックというとこで巨大な馬とファーストコンタクト。
その姿は図鑑やテレビで見るのとは違う迫力だった。
こんなに大きな動物だと思っていなかった僕は、言葉が出なかった。
レースが始まり、地響きのような馬群の足音が近づいてくるゴール板へ近づき
そして走り抜けてゆく。その瞬間、無数の馬券や新聞を宙に投げる人々。
そして、歓声やら怒号が飛び交う中で小さな僕の心臓はバクバクが止まらなかった。
人生で初めての放心状態だったような気がする。
今、この岬で、誰を乗せるでもなく自由に群れを成す彼らの姿が
雄大な自然に溶け込んでいるのを見たとき、あの日の放心と興奮が胸に去来したのだ。
あわせて読みたいおすすめの記事
宮崎エリアの関連記事
海・岬の関連記事