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五島市の魅力:歴史、グルメ、絶景の宝庫!
五島列島:九州長崎の西方100kmに浮かぶ、大小150余りの島々の総称です。その中でも五島市は、南西部に位置し、総面積約420㎢の広大なエリアに11の有人島と52の無人島が点在しています。
五島市の特色は、美しい海と大自然だけでなく、海に囲まれた島ならではの豊富な海の幸にも恵まれています。景色だけでなく、食も楽しめるのが魅力です。さらに、年間を通して釣りやマリンスポーツなどのアクティビティも充実しており、まさに自然を感じ尽くすワンダーランドです。年間平均気温は17℃と、一年を通じて温暖な気候も魅力の一つです!
五島列島の中で最も大きく人口の多い島は福江島で、島民はこの福江島に多く居住しています。また福江港や福江空港を備えた福江島は島の玄関口としての役割も担っています。
100名以上の島民が籍を置く島は福江島の他に、奈留島、久賀島、椛島、嵯峨ノ島です。なかにはほぼ人が住んでいないともいえる黒島などがあります。
このように大小、有人無人と様々な島々で五島列島は形成されています。
五島の歴史
奈良・平安時代には遣唐使船最後の寄港地として中世以降は海外貿易の拠点として栄えました。現在でもカトリック教会や神社仏閣、城跡や武家屋敷など数多くの歴史遺産がのこっています。
秋田県の角館や鹿児島県姶良市の蒲生町でも有名な武家屋敷通り。このような街並みを五島でも見ることができます。
その名も五島市武家屋敷で、その佇まいはほとんど当時のままの面影を残し石垣等が各所に残っています。ちなみに武家屋敷通りには当時の中級以下の武士が住んでいたそう。
石垣の上にこぼれ石という丸石を積み上げ両端を蒲鉾型の石でせき止めるのが特徴です。このこぼれ石は外部の侵入者を音で知らせたり、いざという時の武器にもなったと言われる優れものです。
このように五島市では自然以外の魅力も存分に楽しめる場所になっています。
五島の幅広い魅力のひとつについては、こちらの記事でも紹介しています。併せてご覧いただければと思います。
五島の特産・名産
五島の特産品は多くありますが、そのひとつが五島手延べうどんで、讃岐・稲庭と並び日本三大うどんのひとつに数えられます。
1000年以上の歴史を持つ
また五島うどんと並んで外せないのが五島牛です。
潮風を受ける場所で、適度な塩分とミネラル豊富な環境で栄養満点に育ちます。五島の牛の歴史は古く弥生時代から人とつながりがあるそうで、雄大な自然の中で育つために気性も穏やかで肉牛としての育ちも良いです。
肉質は柔らかく細かく入った霜降りはジューシーなうま味で、特にヒレ肉に関しては評価が高く高級和牛として多くの人に支持を得ています!!
少し贅沢をして非常に良好な肉質を、是非味わってみてはいかがでしょうか。
海とともに日の出と日の入! 頂上からの絶景も見逃せない
鬼岳
島内の絶景スポットとして人気の鬼岳は、標高315mと決して高くないですが、そこからの眺望は目を見張るものがあります。
五島のうち西海国立公園部分内に含まれている中ではシンボルとして親しまれています。
※西海国立公園は九州西北部に位置する公園。佐世保の九十九島から生月・平戸島、そして五島列島へと続く、大小400余りの島々からなる多島海景観が特色(さらに詳しい情報はリンクからご確認ください)
鬼岳の全面を芝生が覆い、その尾根に沿ってトレッキングをすれば広大なパノラマビューが広がります。
福江の市街や遠方には上五島を望むこともでき、さらに火口まで足をのばせば人工物は姿を消して丸いお椀のような風景に囲まれて別世界を満喫できるというおまけつきです!
このエリアは晩秋の頃になると、それまで緑一色だった場所が黄金色の世界へと姿を変えます。
ここでの絶景のクライマックスは、落ちてゆく夕日の美しさと昇る朝日の美しさです!これはもう必見。
日の入や日の出の傾き、大きさなど、見え方が季節ごとに変わってゆくので、色々な季節に訪れて写真や動画に収めその違いを見比べてみるのも楽しいのではないでしょうか。
高層の建物など景観を邪魔をするのものがなく、こんなにも贅沢に日の出も日の入も楽しめてしまう日本有数の場所です。
また、事前に予約をしていれば、鬼岳天文台で満天の星を見ることも可能です!(完全予約制 17:00まで)
鬼岳星空ナイトツアー
鬼岳の満天の星を見るツアー鬼岳星空ナイトツアーは4月~9月の毎週木・金・土曜日に催行されます。(それ以外の期間は直接要問合せ)
通常のツアー代金は、大人(中学生以上)3,500円・こども 2,500円で、現地集合プラン(現地まで自力移動)の場合は、1,000円引きになります。
集合場所・乗車場所 時刻表等
通常ツアーには送迎が付きます。
乗降場所はカンパーナホテル(googleマップ)・十八銀行 福江支店前(googleマップ)・コンカナ王国(googleマップ)の3か所です。
直接現地に行く場合は、20時10分までに集合となります。駐車場から会場までは標高差約20mの丘や階段の登りがあるので、履物にはご注意ください。温度差もあるので防寒対策をされることをオススメします。
鬼岳の滞在時間は20:25~21:30(予定)となります。
また、お問合せは五島市観光協会(0959-72-2963)へ。
申込は基本的に前日の17時までの受付となり、最少催行人数は2名となっています。
邪魔するもののない空を満たすの星のきらめきはきっと感動の世界へと誘ってくれること間違いなし!ツアー代金には送迎のタクシー代、ガイド料金、天文台入館料が含まれますので、福江島に宿泊の際はぜひご利用ください。
ご予約はJTBの対象ページ(現地集合)・JTBの対象ページ(送迎付き)からお申込みください。
さらに新年を迎える日に五島に滞在しているのであれば、是非初日の出や初日の入なども体験するのもオススメです。
初日の出は鹿児島の方角を向いて昇るのを待ちます。スマートフォンアプリ等で、どの方角から日が昇るのかを示してくれる便利なものも無料で多数出ているので、日の出日の入りを楽しむ場合にはひとつくらいインストールしておくのもオススメです。
初日の出の時刻は7:25頃からなので、それまでにベストスポットを確保して楽しみに待ちましょう。※天候次第では日の出は見れません。
「あの建物が邪魔で見えない!」という心配もいらないパノラマの景色のなか、素晴らしい光景を目の当たりにすること請け合いな五島市の鬼岳や、その他市内のさまざまな場所へ是非いかれてみてはいかがでしょうか。
世界遺産を抱える島 離島を巡る旅
五島市を含む長崎県と熊本県の一部のキリスト教教会や集落が2018(平成30)年の7月に世界文化遺産登録されました。
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産として世界文化遺産に登録されたこの地域は、その名称にも含まれる潜伏キリシタン、いわゆる隠れキリシタンがキーワードとなっています。
禁教令の布かれた江戸時代の弾圧の中で信者のみで信仰を守り通す一方、断絶ではなく社会とも関わりをもつ生き方や暮らし方を創造していったという背景が評価されました。
特定の建造物などを指しての世界遺産登録ではなく広範なエリアにわたる部分が対象となっています。
この世界文化遺産に含まれる熊本県天草の崎津集落も以前紹介しています。併せてご確認ください。
長崎県では複数の市にまたがって構成資産が存在していますが、五島市では久賀島(ひさかじま)の集落および奈留島(なるしま)の江上集落と頭ヶ島(かしらがしま)の集落が構成資産として登録されています。
重要文化財に指定されている教会なども含まれますが、建造物でなく広く集落とされているのはすでにご説明した通りです。
それぞれの地域にはそれぞれの歴史があり、様々な困難を乗り越えながら信仰の自由を求めるかつての人々が守り続けた場所であり、その息吹は今になお続いています。
それぞれの地域を含め五島には多くの教会があります。そして、各地域には特徴的な教会もあるので教会巡りを楽しむ方も少なくありません。
重要文化財や世界文化遺産への登録により貴重な場所となっていることに加え、教会という敬虔なクリスチャンが集う場所でもありミサなどが行われている場合などもあります。
見学する場合には事前予約が必要、静寂を保つ、写真がNGなど様々なケースがあります。
必ずルールを守り、この貴重な場所を末永く保ち続けられるように配慮しつつ、ここでしか味わえない空気感や歴史の重みを感じてみませんか。
久賀島の集落(五島市)
旧五輪教会堂
久賀島を支配していた久賀(くが)氏が熱心なキリシタンであったことから久賀島の多くの地区で信者が多かったとされています。
久賀島にキリスト教が伝わったとされている時期は16世紀後半から17世紀初頭ですが、その後の国内の禁教政策によりキリシタンはこの島から姿を消したと考えられています。
久賀島には仏教徒の集落が残りましたが、大村藩から五島(福江)藩への農民移住協定が成立すると五島列島の各地に開拓農民の集落が形成されます。その多くが潜伏キリシタンの集落でした。
久賀島にも潜伏キリシタンが移住してくるのですが、移住先はどこも農業には適さないうえ自力開墾にも人数が足りないという状況から、仏教徒農民の水田の隣を開墾したり、農業、漁業に関わらず仏教徒と作業を協働で行うなど互助関係の上に生活や生業が営まれていました。
そのような状況下でも潜伏キリシタンの共同体は続き、信仰が途絶えることはありませんでした。その後潜伏キリシタンへの弾圧は様々な形で続き囚われの身となることも、拷問を受けることも死者がでることさえもありました。
最終的にキリスト教弾圧が終わり、解禁となった際には島に教会堂が建てられました。その初代の教会に当たるのが初代浜脇教会堂、現在の旧五輪教会堂です。(旧五輪教会堂は浜脇から五輪地区へ移築されたものです)
多くの教会がありますが、現在では見学できる教会堂とそうでないものが分かれます。教会によりルールやマナー等が異なるのでその指示にしたがってください。単に観光資源というわけではなく、いずれも信者の方にとってとても大切な場所であるということをお忘れなくご配慮ください。
教会見学時のマナー・教会見学の事前連絡システム(長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 インフォメーションセンター)
奈留島の江上集落(五島市)
江上天主堂
奈留島は下五島の最も北に位置する島で、上五島の若松島にもほど近い場所にあります。
他の島々と同様に16世紀後半から17世紀初頭にかけてキリスト教が伝わったと考えられています。江上には4戸の入植があったといわれ、入植した地は仏教徒の既存の集落からは隔絶された河川による堆積でできた土地が選ばれました。
そのため平地を稲作用に開墾し、斜面のような場所を開削することにより家屋を建てました。
禁教政策の解禁後にはキビナゴ漁で資金を蓄え、それを元手に江上天主堂が建てられました。
この教会堂用地は信者自らの手で山を切り崩し造成したといわれていますが、大規模な機械もないなかでとても大変なことだったことは想像に難くありません。信仰心の深さがわかるようなエピソードです。
クリーム色の板張りの壁、水色の窓枠がどこかポップで愛らしさがあります。
内部はゴシック様式の教会によくみられる リブ・ヴォールト天井(コウモリ天井)で、柱の木目模様の手書きやステンドグラスではなく透明ガラスに花を描いた様子から、信者が献身的に手を加えていた跡が今もありありと残っています。
また小規模ながら日本の代表的な木造教会として、2008年に国の重要文化財にも指定されています。
教会見学時のマナー・教会見学の事前連絡システム(長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 インフォメーションセンター)
頭ヶ島の集落
頭ヶ島天主堂
上五島(五島列島は大きく上五島、下五島に分けられる)に属する頭ヶ島はもともと無人島で交通も不便であったことから役人の目が届きづらいということも手伝って潜伏キリシタンの入植が増えました。
五島崩れと呼ばれるキリシタンの迫害事件の際には難を逃れることができず、連行・拷問や監禁などに遭い一時は無人となりました。
禁教の禁が解かれたのちに木造の教会が、さらに約30年後には現在の石造りの頭ヶ島天主堂が建てられました。
近くの島から切り出した石を運び、昼は天主堂の建築作業、資金難を解決するために夜はイカ漁をするという過酷なものでしたが10年にわたる苦難を乗り越え完成しました。
随所にツバキなどをモチーフにした花柄文様の装飾があしらわれ花の御堂との愛称もあるほどで、国の重要文化財に指定されています。
(長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 インフォメーションセンター)
このように世界文化遺産に登録されたことで、五島の価値が再認識され、ますます魅力的なエリアとして多くの注目を集めるようになってきました。
五島の世界遺産を回るツアー
世界文化遺産に登録されたうち五島エリアだけを見ても複数の島に分かれているので、全てを回るにはどうしても移動手段に船を使うことになります。そのため乗船する船ごとにそれぞれ個別に予約が必要です。
また、長期に滞在してのんびり各地を見て回るのがオススメですが、なかなかまとまった時間を取れない方も多いのではないでしょうか。
大阪や兵庫から出発のクラブツーリズムのツアー(コース番号:85650-923,85659-923,85659-923)がおすすめです。また羽田発のツアーはANAスカイツアーズのツアーがおすすめです。
航空チケット、ホテルやその他諸々の予約が手間なく行えるパックツアーも上手に活用して現地滞在を満喫する方法も検討してみてはいかがでしょうか。
レンタカーやホテル
五島列島を自由に見て回りたいという方にはレンタカーもオススメです。じゃらんレンタカーを利用すればオンライン予約もできて楽々、そのうえ価格比較もできます。
レンタカーをご利用になる場合にはじゃらんレンタカーを検討してみてはいかがでしょう。
また五島列島にはリゾートを思わせる素敵なホテルから、ホステルライクなカジュアルなものまで素敵な宿が多くあるのも魅力です。種類豊富な五島の宿泊施設の中からオススメをいくつかご紹介します。
まずは白を基調とした外観も魅力な五島列島リゾートホテルマルゲリータです。源泉かけ流しのスパもあり女性にも人気です。
五島コンカナ王国 WINERY&RESORTは大自然が広がる五島列島のリゾートホテルで、客室タイプも様々あり、椿オイルを使った上質なエステも楽しめます。また、お食事も大変評判が良いです。
五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾
は五島牛の味わえる贅沢コースの他、少ない客室数なのでのんびりと上質な時間を過ごせます。記念日等の特別な時のご利用はいかがでしょうか。
ゲストハウス ぴかいちセカンドは福江港
から至近距離にあるカジュアルな宿。1階は居酒屋なので素泊まりでもOKです。好きなものを食べたい!という方にはオススメです。
五島ゲストハウス雨通宿は併設のBarがあったり、宿泊者限定で割安でレンタカーを借りられたりとカジュアルな宿です。港からも歩いて15分なので徒歩圏なのも魅力です。ドミトリーなので、海外のバックパッカー経験者や修学旅行気分を味わいたい方にはオススメです。
色々なタイプの魅力的な宿が多いので、ご自身のプランにあった宿泊先を選んでください。
よい旅を!!!
「五島市の日の出」の動画
素敵な動画をご紹介します!
「五島市の日の出」の基本情報
問い合わせ先
(一社) 五島市観光協会
連絡先:0959-72-2963
五島市に関する各種情報ページ
五島市への行き方・アクセス
公共交通機関
航空機・船舶
<飛行機>
長崎空港から
- 航空会社:オリエンタルエアブリッジ(ORC) 約30分
福岡空港から
- 航空会社:全日空(ANA) 約40分
<海上船>
長崎港から
- 九州商船 フェリー 約3時間30分
長崎港から
- 九州商船 ジェットフォイル 約1時間30分
福岡港から
- 野母商船 フェリー太古 約9時間
五島市の地図
COVER STORY
ただ、それだけのこと
1月1日が終わる。
ただ、それだけのこと。
長い恋が終わった。
ただ、それだけのこと。
日がな一日、空虚のなかをさまよい、それでもどこにも行かないでただ、空を見つめている。
こんなにも絶望的な美しい夕日を水平線の先に見ているのに、ちっとも心が動かない。
どんな想いを抱こうとも、今日の日は暮れてゆく。
何かが始まれば、それは必ず終わりがくる。
産声をあげた日に、そのゴールはいつもセットでついてくる。
称賛や祝福と呼ぶには大げさな出来事、誹謗や中傷と呼ぶには大仰な出来事がこの道のうえでいつでも起こる。
起伏のない道を歩いているつもりで、とても小さな石に躓くことだってある。
転んでも痛くない日もあるし、何気なく泣けてくる日だってある。
そんな風に、感情や感傷が世界をゆがめてしまう。
見たいものを見ればいいし、見たままを感じればいい。
きっと、そうなんだろうな。。。と思う。
今年最初の、今日最後の、あの赤い夕陽の輝きと熱がいま静かに失われてゆく。
明日、今年二度目の、明日最初の日が昇るとき、僕の目にはどう映るだろう。
それをきっと、「美しい」と思えるならどんなにいいだろう。
暮れてゆく波音のなかで、ただ、そう切に願うのだ。
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