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嬉野(うれしの)温泉は歴史ある温泉地
九州各県には有名な温泉地が多く泉質や風情ともに人気があります。
鹿児島の指宿温泉、大分県の別府、湯布院、熊本県の黒川温泉等がよく知られていますが、佐賀県にも全国に名の知れた武雄温泉があり、多くの温泉好きの方が集まります。
その武雄温泉から車で1時間かからない場所にある嬉野温泉もまた佐賀県の人気温泉地です。
福岡県の筥崎宮にも祀られている神功皇后(じんぐうこうごう)をご存知でしょうか。
第15代天皇とされる応神天皇の母で、妊娠中であるにも拘わらず戦に出向き、その後出産したとの逸話から武芸の神さまとして祀られることが多いです。
この神功皇后が戦いの帰りに嬉野の地に立ち寄った際、疲れた白鶴が川中で羽を浸した後に元気に飛び立つ姿をご覧になり、傷ついた兵士たちを入れてみるとそこには温泉が湧いていて、たちまち兵士たちの傷を癒したとの逸話があります。
このことを大変喜んだ神功皇后が、「あな、うれしいの」と発した言葉が地名の由来ともいわれています。
神功皇后の頃とされるのが西暦200年代中頃ですから、かなり古くから温泉として認識されていたということになります。
このように古くから温泉としての効能を認められてきた嬉野温泉は、浸かるだけでつるスベの肌になれるとの評判も高く、現代の男女ともにスキンケアが一般的になってきた時代には老若男女問わず足を運びたい温泉のひとつといえます。
今回はそんな嬉野温泉を中心にご紹介します。
嬉野温泉のおすすめポイント
日帰りも可能な美肌の湯
嬉野温泉は九州各県から車で数時間程度の距離にあり、一部の県からは時間を要しますが、比較的各県からアクセスしやすく日帰り温泉で訪れる方も多いです。
特に福岡や長崎からは手軽に高速バスを利用したり、バスツアー(Yahooトラベル)の利用も便利です。
最近では全国の温泉地の公衆浴場に加え、宿泊施設が一部の時間帯で日帰り入浴サービスを提供しているケースも増えてきました。嬉野温泉にも、公衆浴場はありますが、それに加えて日帰り温泉サービスを提供している宿が多くあります。
温泉旅行の宿泊予約・宿探しサイト ゆこゆこでは、嬉野温泉の日帰り温泉10選を紹介していて一覧になっており見やすいので、日帰り温泉をご利用の場合にはこちらも参考になさってください。
日帰り温泉を提供している宿の中でも茶心の宿 和楽園(じゃらん)は、特に人気が高く、当然宿泊も可能です。
公衆浴場のシーボルトの湯も大人気
日帰り温泉は公衆浴場 シーボルトの湯も人気です。建物の外観は特徴的で、レトロな洋館スタイルです。
名称にも使われているシーボルトとの関係ですが、江戸への往復の際にシーボルトがこの地に実際に立ち寄り泉質検査をしたといわれています。(1826年)
こうした内容からもわかるように古くから愛されてきた嬉野温泉の地で、シーボルトの湯は古湯温泉として江戸時代より藩営で営業をしていました。その後火災等の被害に見舞われますが、大正時代に現在のような洋館スタイルで民間の浴場としてオープンしました。
それから昭和を経て1996(平成8)年まで修復を重ね営業を続けましたが、老朽化や利用者減少により閉館し建物も取り壊されてしまいました。
一度は閉館されたシーボルトの湯ですが、復活を願う住民の声に後押しされる形で2010(平成22)年にシーボルト湯として当時の建築を再現し再びシンボルとしてオープンに漕ぎつけました。
木造2階建ての洋館は今も当時の様子を楽しむことができる場所として人気を集めています。また、2階では出前を利用も可能で食事を済ませることもでき大変使い勝手の良い施設です。
しかも温泉は公衆浴場のため大人420円・こども210円で楽しめコストパフォーマンスは抜群です。レトロモダンな洋館の温泉もなかなか目にする機会が少ないと思いますので、嬉野温泉を訪れたら、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
シーボルトの湯は、嬉野温泉のシンボル的な公衆浴場です。宿で提供される日帰り温泉よりも格段に安く、リーズナブルに嬉野温泉の泉質を楽しむことができます。
嬉野温泉では、多くの宿で日帰り温泉のサービスを楽しむことができます。日帰り旅行の場合には、思うように時間を取れないかもしれませんが、気に入った温泉で湯めぐりを楽しんでみてはいかがですか。
おすすめのホテルや旅館
嬉野温泉は長い歴史のある温泉地ゆえに、創業から長く営業を続けている旅館やホテルも多くレトロな建物も特徴のひとつです。
最新設備の揃ったシティホテルのような宿泊施設は少ないかもしれませんが、リニューアルを施したホテルなどありますし、長い歴史の中で培ってきた風情が生かされた建物でのんびりできる空間もまた魅力のひとつです。
そういった宿のの中には地元食材を使用した食事を楽しめるところもあります。そして温泉の泉質は美肌の湯として名高いので、どの宿に泊まっても効果を実感できる方が多いのではないでしょうか。
複数ある嬉野温泉の宿泊施設のなかで、人気が高くオススメの宿をいくつかご紹介しますので、嬉野温泉旅行の参考になさってください。
嬉野温泉旅館 大正屋 椎葉山荘は嬉野の自然の中に溶け込むように建つ宿で、渓流や山肌、季節ごとの草木の美しさを堪能できる宿です。
日常を忘れリラックスタイムを満喫したい方には特におすすめです。お値段は少々お高めですが、ユーザー満足度も高くプランや部屋タイプも豊富なのでご自身にあったプランが見つかるのではないでしょうか。
大正屋湯宿 清流はご紹介した大正屋 椎葉山荘とは同グループとなりますが、こちらは同グループにおいてリーズナブルな価格設定も人気です。それでいて温泉の泉質は安心の嬉野クオリティです。
御宿 高砂
は全10室とこじんまりとした佇まいながらも、とても趣のある宿です。
人気が高いうえに部屋数が少ないことも相まって、プランによってはすぐに埋まってしまうことも多いですが、温泉はもちろんのこと料理の質・量ともに定評があり顧客満足度も高いです。
客室付きの風呂がある部屋、大浴場、貸切風呂と豊富なところも人気の秘密です。
素泊まりプランもあるので、食事は他の場所で済ませたいという方にも選びやすいです。
和多屋別荘はお食事処も備える旅館で、その敷地は3万坪とかなり広いです。
宿場町として嬉野温泉が栄えた頃に長崎街道を往来していた島津家薩摩藩が、旅の途中に休息していた上使屋に端を発しています。
嬉野川をまたいで広がる、非日常の圧倒的な空間の中で過ごす時間を楽しみたい方に向いています。但し、非常に歴史の長い建物と広大な敷地を有するので、新らしさや便利さ等を求める方には不向きかもしれません。
湯快リゾート 嬉野温泉 嬉野館は、ご家族連れなど人数が多い場合や小さなお子さんがいる場合に満足度が高い宿。
値段もリーズナブルなプランが多く、食事付きバイキングプラン等食事はいっぱい食べたい!という方にもオススメです。
旅館 吉田屋は、お値段だけ見ると少々お高めですがそれに見合うサービスや空間を提供してくれると評判の宿です。中心部からはややはずれになりますが、その分温泉でのリラックスと合わせ特別な時間を過ごすのにとても適しています。
本館と別館があり、別館は一棟貸しスタイルになっているのでよりプライベートな空間でゆったりとした時間を感じることができるのではないでしょうか。仲間や家族など気の置けない人たちとの旅行にも最適です。
本館には、カフェやバー、ダイニングなどの施設もあるので館内で1日を過ごすこともできます。
茶心の宿和楽園は、日本初のお茶を利用した露天風呂など一風変わったお湯も楽しめる落ち着いた雰囲気の宿泊施設です。
露天風呂付のお部屋では誰にも邪魔されずプライベート温泉を楽しむことも可能で、貸切風呂のように時間を気にする必要もありません。予約時に追加料金を支払うことでメニューにプラスして佐賀牛などの一皿を追加することもできますし、館内にある鉄板焼き店でコース料理を楽しむことも可能です。
人数やシチュエーションに合わせて素敵なプランで楽しめます。
コストパフォーマンスに納得の宿
旅行に行くと移動や飲食、お土産など、積み重ねると費用もかさむので宿の料金が抑えられるのならば抑えたいという場合もあります。
旅館 一休荘決して新しくはないけれどどこか温かみがあり、料理もおいしく、営む方たちとの触れ合いも楽しいと評判の宿。そのうえ価格もリーズナブルです。
立地もよく嬉野の町を散策したり観光するのにもとても便利な場所にあります。
旅館 初音荘は子育て世代を応援する宿として人気が高いです。建物は決して新しくはありませんが、スタッフの方の対応や、キッズルームなどまだ小さな動き盛りのお子さんと過ごすのに適したサービスがあります。
料理や、ちょっと変わった畳敷きの温泉も人気が高いのでお子様連れでリーズナブルな宿をお探しなら一度検討してみてはいかがでしょうか。
悠然の宿 東海は嬉野温泉バスセンターからも徒歩約5分の立地でとても便利な場所にあります。
浴衣を選べたり、休憩コーナーにはマッサージチェアや漫画、卓球等もあり飾らないのんびりタイムを過ごすことができます。1階のホールにはコーヒーの用意もあります。
時期や曜日にもよりますが、素泊まりプラン等かなりリーズナブルに利用できるプランもあるのでご自身にあったプランを検討してはいかがでしょうか。
このようにちょっとした贅沢旅行からリーズナブルな旅行まで楽しめる宿が揃っているうえに泉質はどこも嬉野温泉クオリティなので、予算や日程、人数や目的に合わせてあれこれと宿探しをしてみてはいかがでしょうか。
ランチに湯豆腐?!観光しながら足湯でひと息
湯豆腐というと冬の鍋料理の定番のひとつ。現在は豆乳ベースで楽しまれる方も多いのではないでしょうか。
嬉野の温泉湯豆腐は、鍋のベースに嬉野の温泉を利用します。この成分によって、通常お湯や出汁だけで煮た場合固くなってしまう豆腐からたんぱく質が溶け出しトロトロの豆腐に仕上がります。また溶け出した成分によって鍋の温泉水は白濁して、そのスープもまたおいしくいただくことができます。
この温泉湯豆腐は嬉野の名物になっていて、宿泊した旅館での食事に供されることもあります。
肌寒くなる頃にはうってつけの料理で、前日に宿や周辺の食事処で飲みすぎ、食べすぎな場合でも胃腸にやさしくじんわりと沁みるのでランチにもぴったりです。
宗庵 よこ長(食べログ)は、非常に人気の店。温泉湯豆腐の発祥の店とも言われ、おかずにも酒の肴にもぴったりな優しい味の温泉湯豆腐が楽しめます。
佐嘉平川屋 嬉野店(食べログ)もエリアでは大人気のお店。温泉豆腐とご飯のおかわりもOKで、トロトロになる前と後で食べ比べてみるのも楽しいかもしれません。
デザートも充実しているのでランチにぴったりです。
和食処 利休(食べログ)は宿泊施設の和多屋別荘(じゃらん)の食事処です。和多屋別荘(じゃらん)は日帰り温泉も楽しめるので、ランチとセットで楽しむ方もいらっしゃいます。湯豆腐はもちろんのこと、他のメニューとセットになったお膳も楽しむことができるので、色々楽しみたいという方に便利です。
食事を済ませ胃袋が膨れたら腹ごなしに町散策を楽しんではいかがでしょうか。宿によっては観光散策用の地図を用意しているところもあるので、お尋ねください。
また観光協会では「嬉野ぶらりマップ(PDF)」等も提供しているので事前に確認しておくと観光コース設定に役立つはずです。
町散策で少し歩き疲れたら足湯で一休みがオススメです。嬉野温泉 湯宿広場(googleマップ)は、足湯だけではなく足蒸し湯も楽しむことのできる無料施設です。足湯 7:00~23:00 足蒸し湯 9:00~20:00 と営業時間も長いので、朝早くから夜まで楽しめちょっとした休憩にもぴったりです。
すでにご紹介したシーボルトの湯付近にはシーボルトの足湯(googleマップ)があります。24時間無料で利用できるので便利です。長時間歩くと足腰に疲れがたまりますが、下半身の血行を良くして上手に嬉野観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。
足湯に行かれる際にはタオル等お忘れなく。
嬉野観光でここだけは見ておこう!スポット
ここまで温泉を中心にご紹介してきました。美肌の湯として有名な嬉野温泉には他にも美肌に関連したスポットがあります。
豊玉姫神社
(googleマップ)は、昔から嬉野温泉の湯治客によって皮膚病(白なまず)平癒の祈願が多く、現在では日本三大美肌の湯に鎮座する美肌の神として尊崇を集めています。
白なまずとは皮膚の一部が脱色したように白くなる皮膚疾患で、尋常性白斑といわれています。豊玉姫神社の「なまず舎」には白磁の白なまずがお祀りしており、白なまずは豊玉姫のおつかいと言い伝えられています。
2019年には美肌の神のおつかいのなまずも見守る手水舎が完成しました。この手水舎は美肌の湯として知られる嬉野温泉の源泉かけ流しで約40℃のお湯で手や口を清めることができます。また、バリアフリー対応にもなっています。
また、春の桜も楽しむことのできる轟の滝(googleマップ)も足を運びたい場所のひとつです。周囲は公園と整備されていて、春の花見スポットとしても有名なほど桜の見頃の頃には美しい姿を眺めることができます。
主役の滝も立派で、滝の上部には不動明王像を観ることも出来る不思議なスポットです。滝の周囲を回る散策コースも設定されているのでちょっとしたお散歩がてらにのんびりと過ごす時間にも最適な場所です。
嬉野温泉の動画
嬉野の町を映したとても素敵な動画をご紹介します。
嬉野温泉観光協会観光案内所の基本情報
利用案内
営業時間
9:00~18:00
料金
無料(宿泊施設・日帰り温泉等は費用がかかります)
問合せ先
一般社団法人 嬉野温泉観光協会
0954-43-0137
嬉野温泉に関する各種情報ページ
嬉野温泉へのアクセス・行き方
公共交通機関
高速バス九州号・ローカルバス各線 嬉野温泉バスセンター(嬉野温泉駅)下車
車
長崎自動車道 嬉野I.C. より 約5分
駐車場
・嬉野中央駐車場(有料:24時間200円)
・嬉野インター駐車場(有料:24時間200円)
・嬉野インター第2駐車(有料:24時間200円、中型又は大型車は400円)
嬉野温泉の地図
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