香川県の琴平町にある『金刀比羅宮(ことひらぐう)』は、古くから「こんぴらさん」の愛称で親しまれ、多くの参拝客を迎えています。
金刀比羅宮で特に有名なのは、長い階段(石段)を登った先にお宮があるという点です。
苦労をしたからこそのご利益を授けてもらえると思いたいものですが、その参道には多くの見どころがありますので、参拝方法からアクセス・駐車場情報まで幅広く紹介していきます!
目次
金刀比羅宮とは?
金刀比羅宮は全国の金刀比羅神社・琴平神社の総本宮としても知られています。
その由緒は諸説ありますが、主祭神でもある大物主神(おおものぬしのかみ)が一時的に宮殿を構えていた場所に三千年近く鎮座しているという説もあります。
江戸時代になると、伊勢神宮に参拝する「お伊勢参り」と並ぶほどの人気で「こんぴら参り」と言われ、とても多くの人がお参りに訪れるようになりました。
金刀比羅宮の階段(石段)の段数は?
金刀比羅宮の石段の総段数は1368段です。
大まかに2つのエリアで分かれています。
1.表参道から御本宮までの785段
所要時間の目安:30分~45分(片道)
2.御本宮から奥社までの583段
所要時間の目安:30分~45分(片道)
※石段が混雑していた場合は更に時間が必要になります
金刀比羅宮にまつられている神様は?
主祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)です。
大物主神は国造りの神様、大国主神(おおくにぬしのかみ/出雲大社の神様)の和魂(にぎみたま/神様の優しく平和な面の魂)とされています。
島根県の出雲大社にある「ムスビの御神像」でその大国主神と和魂との出会いの場面が描かれていることでも有名です。
(出雲大社の神楽殿の前庭には金刀比羅宮が摂社として鎮座しています)
大国主神は国造りとその発展での様々な困難を大物主神(和魂)とともに乗り越えたことから、大物主神はあらゆることに対してご利益があると考えられています。
また、保元の乱で讃岐国(今の香川県)に配流になった崇徳天皇(すとくてんのう)が相殿神(あいどのしん)として一緒にまつられています。
金刀比羅宮のご利益は?
大物主神のご利益として考えられている主なご利益は以下です。
・海の守護(交通・航海)
・豊漁
・すべての産業の開発
・商売繁昌
・五穀豊穣
・病気平癒 など
大物主神は縁結びの神様・大国主神の和魂のため同一神ともいわれることもあり、縁結びにもご利益があると考えられます。
また、崇徳天皇のご利益として有名なのが縁切りです。
崇徳天皇は不遇の天皇として怨霊神となったといわれていますが、現在まつられている神社では「悪縁を断ち、良縁を結ぶ」ご利益を授かるとされています。
金刀比羅宮での参拝方法・作法は?
金刀比羅宮での参拝方法は他の神社と同じく二拝二拍手一拝で、以下の順序で拝礼します。
①会釈をする
②お賽銭を入れる
③深い礼を2回
④2回拍手を打ち、祈願する
⑤深い礼を1回
⑥会釈をする
また、④の祈願をする直前のタイミングで以下の略拝詞(りゃくはいし/唱えことば)を心の中で唱えると更なるご利益を授かるかもしれません。
祓(はら)へ給(たま)へ
清(きよ)め給へ
守(まも)り給へ
幸(さきは)へ給へ
【意味】
おはらいください
お清めください
お守りください
幸せにしてください
その他の作法も一般的なものと同じです。
例
・境内に入る際には脱帽する
(真夏など日差しが強い際には無理をしなくて大丈夫です)
・鳥居をくぐる際には会釈をする
・参道の真ん中(正中/せいちゅう)をなるべく歩かない
・手水舎でお清めをする
など
金刀比羅宮へのアクセス・駐車場情報
手段別でのアクセス方法
公共交通機関の場合
※下車後の徒歩時間は石段の入口までの時間です
岡山・高松方面からのアクセスに便利!
JR土讃本線「琴平駅」より徒歩約10分
高松琴平電鉄「琴電琴平駅」より徒歩約7分
高松空港からのアクセスに便利!
高松空港連絡バス「琴平線」に乗り「こんぴらさん入口」バス停で下車、徒歩約3分
高松空港連絡バス 琴平線の時刻表
(琴空バス公式サイト)
車の場合
瀬戸中央自動車道「坂出IC」より国道438号、32号、県道208号を経由して約30分
四国横断自動車道「善通寺IC」より国道318号、県道206号を経由して約15分
初詣期間は交通規制が実施される
金刀比羅宮は初詣期間のみで50万人以上の参拝客数が訪れます。
そのため、例年12月31日大晦日の22:00~1月1日の18:00、3が日の各日9:00~18:00まで参道周辺の道路が進入禁止や一方通行などの交通規制が実施されています。
周辺道路も渋滞するので可能であれば、初詣の時期には公共交通機関でのアクセスがスムーズです。
交通規制等の詳しい情報
(琴平町観光協会公式ブログ)
※時期により随時更新されます
駐車場情報
上のマップのように金刀比羅宮の参道からJR琴平駅にかけて駐車場が点在しています。
週末や連休中は各所で満車になることも多く、空いている駐車場があれば入るのが良いと思います。
通常期は平日・土日祝日で料金の変動はありますが、おおむね1時間で100円~500円ほどで最大料金が設定(~1,000円まで)されている所がほとんどです。
(基本的には参道から近くなるほど、駐車料金が高くなる傾向)
ただし、ゴールデンウィークやお盆期間、例大祭(10月9日~11日)、正月期間は特別料金となり最大料金もなくなる場所もあるので注意が必要です。
また、お土産屋や飲食店が運営している駐車場の場合はその店で一定金額の利用をすることで駐車料金が無料になることもあるので、各店の係員に事前に確認するのがおすすめです。
(係員の駐車場への呼び込みはかなりアグレッシブです)
今回は石段に備えて体力を温存するため、参道へ徒歩5分圏内にある駐車場を3ヶ所紹介していきます。
※紹介する情報は2023年10月時点のものです
こんぴら一段目駐車場
参道まで徒歩約1分
石段の1段目脇にある駐車場でとても便利な反面、車で最奥まで行くため、道行く人をよけて運転しないといけないので注意が必要です。
収容台数
20台ほど
料金
500円/日
住所の目安(マップコード)
香川県仲多度郡琴平町822
(77 383 011*46)
タイムズ琴平こんぴら前
参道まで徒歩約4分
金刀比羅宮周辺で最大収容台数がある駐車場で大手のタイムズが運営しています。最大料金の設定もあり、タイムズ駐車場検索アプリを持っていれば、リアルタイムでの空車確認ができるのも便利です。
収容台数
121台
料金
平日:300円/1時間(1日最大500円)
土日祝:500円/1時間(1日最大800円)
住所の目安(マップコード)
香川県仲多度郡琴平町631
(77 383 166*48)
タイムズ琴平こんぴら前の紹介ページ
(タイムズ駐車場公式サイト)
琴平参拝駐車場
参道まで徒歩約5分
金刀比羅宮の門前町を進んでいくことができる場所にある駐車場です。
収容台数
50台ほど
料金
700円/1日
※時期によって変動します
住所の目安(マップコード)
香川県仲多度郡琴平町五條204
(77 354 504*58)
琴平駅周辺からの有料シャトルバス(予約制)も便利
JR・琴電の両琴平駅周辺に駐車した場合には「こんぴら参拝登山シャトル」(有料シャトルバス)で境内入口までの約半分(365段目の大門まで)を行くことも可能です。
※駅周辺からタクシーで同区間を行く場合、片道約1,300円前後(メーター料金+通行料500円)です。
料金
片道700円/1人
※乗車時にドライバーに直接支払い
停車場所
1.琴参閣(ホテル)
2.紅梅亭(ホテル)
3.ことでん琴平駅
4.JR琴平駅
5.琴平花壇(ホテル)
6.こんぴら参道口(高速バス停)
→門前町も楽しみたい場合はここで下車するのが便利です
7.金丸座(芝居小屋)
8.大門駅
予約・問い合わせ電話番号
050-3537-5678
詳細やネット予約はこちら
(琴平バス株式会社公式サイト)
バスツアーで行くのもおすすめ
金刀比羅宮にはバスツアーを利用して行くのもおすすめです。
人気のバスツアー会社「クラブツーリズム」では、関東や関西の各地、福岡などから出発して金刀比羅宮を含む四国の観光スポットを周遊する宿泊付きツアーを企画しています。
金刀比羅宮を含むツアーの探し方
①下記の「クラブツーリズム公式サイト」のリンクをタップ
②遷移先の画面右上にある「ツアー検索」のボックスをタップ
③検索条件画面の下部「さらに条件を追加する+」をタップ
④「キーワード検索(観光地等)」に『金刀比羅宮』を入力
⑤「検索」ボタンをタップすると出発地ごとのツアーが出てきます
※時期や定員などにより催行されていない場合もあります
金刀比羅宮のみどころ
金刀比羅宮ならではのポイントや参道や周辺のスポットがたくさんありますので紹介します。
参道の主なスポット
長い階段の参道には多くの見どころがありますのでまずはそちらから。
門前町(0段~365段)
表参道から365段地点にある大門(総門)までは、多くの土産屋やうどん屋などの飲食店が軒を連ね、にぎわいのある門前町の雰囲気を楽しめます。
行きのお土産を購入すると荷物になってしまうので、必要な際は帰りに購入するのがおすすめです。
大門(総門)
365段地点にあるのが大門(総門)でこの先から境内・神域となります。
この大門は二層入母屋造の瓦葺で江戸時代に水戸黄門で知られる水戸光圀の兄、松平頼重から寄進されたものです。
この地点から振り返ると登ってきた石段と讃岐平野を見ることができます。
加美代飴(かみよあめ)を売る五人百姓
大門を抜けると境内に入ると、両脇に白の大きな傘が5つ見えます。
これは「五人百姓」と言われる神域での商売を許された方たちで、先祖代々からこの場所で「加美代飴(かみよあめ)」を販売(5枚/500円~)しています。
加美代飴はゆず風味の扇型の飴で付属する小さなハンマーで割って食べることができ、こんぴらさんの名物のひとつとしてとても人気があります。
桜馬場(365段~431段)
大門から約150mほど続く石畳の両脇には石灯篭と桜があり、春になると桜のトンネルを進むことができるため人気があります。
金刀比羅宮での桜の例年の見ごろは3月下旬~4月上旬です。
カフェ・レストラン「神椿」(500段)
500段目のお守りなどの社務所の入口から左折して進むとカフェとレストランを併設した「神椿(かみつばき)」があります。
ここは東京・銀座発祥の資生堂パーラーが運営していて、ドリンクや軽食から、本格的なコース料理まで様々なメニューが揃っています。
また、金刀比羅宮で結婚式を挙げた際にこちらでウェディングパーティーを開けることでも人気です。
旭社(628段)
628段目には本宮と見間違うほどの荘厳な「旭社」があります。
これは江戸時代後期に建立された金堂(こんどう)で、総ケヤキ造りの豪壮な社殿です。
その時代の最高の技術が用いられた彫刻は圧巻の一言で、歴史的な価値も高いことから重要文化財にも指定されています。
※旭社への参拝順は帰路なのでご注意ください
御本宮(785段)
急こう配の最後の難所「御前四段坂」を超えると本宮です。
本宮は詳しいことはわかっていませんが、1000年以上前から改築を繰り返していて、明治時代初期の改築で現在の社殿ができました。
社殿は枓栱(とうきょう/釘や接着剤などを使わない工法)が見事な造りで必要以上の飾りはなく、まさに質実剛健という印象を受けます。
また、北東側に設置されている展望台からは讃岐富士と讃岐平野を一望でき、その風景を多くの人が写真に収めています。
奥社参道
本宮の右側沿いを進むと奥社への参道入口となる石鳥居があります。
常磐神社(832段)
832段目には常磐神社(ときわじんじゃ)が鎮座しています。ここには国譲りで活躍して鹿島神宮のご祭神としても有名な建御雷神(たけみかづち)と八幡様としてよく知られる誉田和氣尊(ほんだわけのみこと)がまつられています。
常磐神社の主なご利益
武道守護
文武両道
子孫繁栄
必勝祈願 など
白峰神社(923段)
923段目には白峰神社(しろみねじんじゃ)が鎮座しています。
主祭神は崇徳天皇(すとくてんのう)です。手前の866段目にはこの神社の手水舎がありますので、そこでお清めをしてからの参拝がおすすめです。
また、この神社の周辺は金刀比羅宮の中でも特に紅葉谷とも呼ばれる紅葉の名所として知られていて、秋には紅葉狩りに多くの人が訪れます。
毎年11月10日には「紅葉祭」も開催されます。
白峰神社の主なご利益
悪縁切り
良縁結び など
紅葉の見ごろ
例年11月上旬~12月上旬
菅原神社(974段)
白峰神社・紅葉谷を過ぎるとほどなくしてあるのが菅原神社です。ここには学問の神様で多くの人に知られる菅原道真(すがわらのみちざね)公がまつられています。
菅原神社の主なご利益
学業成就
合格祈願 など
厳魂神社/奥社(1368段)
菅原神社から400段近く登った先にあるのが奥社である厳魂神社(いづたまじんじゃ)です。
ここには金刀比羅本教の教祖である厳魂彦命(いづたまひこのみこと)がまつられています。
こちらでは厳魂彦命が金刀比羅宮を守護するために天狗に化身したという逸話にあやかり、天狗のデザインがほどこされた「天狗御守」を授けてもらえます。
このお守りは様々な災難から守ってくれると人気です。
金刀比羅宮に行ったら体験しておきたい関連プラン
うどんは金刀比羅宮が発祥?!
讃岐(香川県)はうどんのメッカとして全国的に知られています。
これは四国にゆかりが深い弘法大師・空海が唐からその製法を伝えたということから始まっています。
そして、この地で育まれた讃岐うどんは各地からこんぴら参りで訪れた参拝客によって全国に広がってきました。そのような背景もあり「うどん屋発祥の地」として金刀比羅宮に収蔵されている屏風にも記録されています。
金刀比羅宮周辺のうどん店の一覧
(琴平町観光協会公式サイト)
まとめ
・金刀比羅宮の石段の段数は合計1368段で、本宮までも785段ある
・主祭神は大物主神、相殿神は崇徳天皇で様々なご利益がある
・最寄り駅はJRと琴電の琴平駅
・駐車場は周辺に点在していて最大料金が設定されている所もある
・石段沿いには様々な参拝・観光スポットがある
長い石段を登って四国有数のパワースポットのご利益を授けてもらいに一生に一度はこんぴらさん参りをしてみてはいかがでしょうか?
金刀比羅宮の動画
金刀比羅宮とその周辺の観光スポットが案内されている動画を紹介します
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金刀比羅宮の基本情報
利用案内
参拝時間
境内は参拝自由
本宮での参拝時間
7:00〜17:00
(祈祷受付は9:00〜16:30)
※正月期間は延長されます
奥社での参拝時間
9:00〜16:30
休業日
なし
料金
参拝無料
問い合わせ先
金刀比羅宮
0877-75-2121
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金刀比羅宮の地図
香川県仲多度郡琴平町892-1