東京都港区愛宕は虎ノ門からも近く江戸の時代からの歴史あるこの街周辺は近年、虎ノ門ヒルズの竣工や道路整備等の他2020年竣工の東京ワールドゲートとシンボル的な高層ビルの立ち並ぶ再開発地区としてさらに注目のエリアになっています。
近代的な建物が次々と誕生し、平成、令和と益々注目が集まるそんな虎ノ門エリアからほど近い場所徒歩圏内に、江戸の世から人々に親しまれてきた出世のパワースポット愛宕神社があります。
今回は出世の石段で有名な愛宕神社を中心にご紹介します!
愛宕神社のみどころ
23区内で一番高い山!?愛宕神社のロケーション
愛宕神社のある愛宕山は、自然にできた天然の山のなかではという但し書きが必要になりますが東京23区内でも一番高い山です。
標高は約26m。こう聞くと大して高くないと思われるかも知れませんが、現在のように高層ビルが林立する以前の江戸の世では見晴らしの名所として名を馳せました。
山というには低いかもしれませんが、境内には山の証である”三角点”もあるので江戸時代の風景を想像しながら一度参拝にいかれてはいかがでしょうか。
※自然形成ではなく人造の山(築山)で愛宕山以上の標高を持つ山は他にもあり、最高峰は新宿区の箱根山です。
そして、この愛宕山はNHK(日本放送協会)の発祥の地でもあります。
現在でもNHK放送博物館が愛宕神社の裏手にあり、入場無料で、展示を見たり最新の8K画像の体験などもできます。その他にも長いNHKの歴史にまつわる展示など随時実施されています。愛宕神社で出世のパワーを頂いたあとには、是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
愛宕神社のおすすめポイント
ヴァーチャル参拝で気分を高めよう!おみくじもあります!
遠方で参拝が難しい方のために、愛宕神社の公式サイトにはヴァーチャル参拝というコーナーがあります。
出世の石段の前にある大鳥居から始まり、出世の石段、一の鳥居、手水舎、丹塗の門「神門」、社殿外観、招き石、お賽銭箱、社務所、池、社殿内部へと続きます。
その場所を訪れるときの心構えや由来などの解説もあり、参拝気分を味わうだけにとどまらず参拝へ行く前にイメージをつかむのにも役立つのではないでしょうか。
また参拝の際に作法や心持ち等がよくわからないまま、儀礼的に済ませてしまう方もいらっしゃるのではないかと思います。
このサイトではそんな参拝初心者のために、神社はどういう心持ちで参拝するのが望ましいのか等の情報が細かく記されています。事前チェックにもなりますし、本来の神社との関わり方がわかれば、その方がさらにご利益がありそうですよね?
またおみくじを引くコーナーもあるので、参拝に訪れるまで日々ネットを通して参拝するのもオススメです。
参拝のしかたなどの作法やひとつひとつの行動の意味合いも詳しく記載されているので是非チェックしてみてください。
出世の石段・男坂をのぼろう
愛宕神社の正面には男坂という急勾配の石段があります。
かなりの急勾配なので高所が苦手な方は、上っている最中やのぼり切った場所から下を見ると足がすくむような感覚を覚えるかも知れません。
この急な石段は出世の石段と呼ばれていて、この呼び名は曲垣平九郎(まがき・へいくろう)という方の故事に由来します。
江戸三代将軍家光公が菩提寺である芝の増上寺に御参詣の帰り愛宕神社の下を通られました。
春の折、愛宕山には源平の梅が満開だったので家光公はそれを目にし「誰か、馬にてあの梅を取って参れ!」と命ぜられました。
しかしこの石段が歩いて登るのもためらわれるほどの急勾配だったために、家臣たちは一様に下を向くばかりでした。家光公のみるみる機嫌が悪くなり、怒りが頂点に達しようというそのとき、一人の家臣が馬を駆りこの石段を登り始めました。ですが、家光公はこの家臣に見覚えがありません。
「あの者は誰だ」
と問われましたが、近習の臣に知るものもなかったのでした。
別の家臣が
「おそれながら、あの者は四国丸亀藩の家臣で曲垣平九郎(まがき・へいくろう)と申す者でございます」
と答えると
「そうか。この泰平の世に馬術の稽古怠りなきこと、まことにあっぱれである」
と家光公がおっしゃいました。平九郎は見事梅を持ち家光公に献上しました。
平九郎は家光公より「日本一の馬術の名人」と讃えられ、その名は一日にして全国にとどろいたと伝えられております。
出典:愛宕神社 公式サイト
この故事より、今ではこの石段(男坂)が出世の石段として人々に広く認知され、現在でも多くの参拝者がこの石段を登り参拝に訪れます。
実際に目にするとわかりますが 馬でここをのぼったの?と疑いたくなるような急勾配です。
そんな急勾配の男坂ですが、明治以降にも何人かの方が馬での登頂に成功されているようです。
馬で行かれるのは現実的ではありませんが、是非出世の石段をのぼってみてはいかがでしょうか。※但し段数も多く勾配がきついので歩きやすい靴で参拝するのがオススメです。
初詣も人気!元旦は東京メトロ等の終夜運転がないのでご注意!
毎年多くの人が訪れる愛宕神社の初詣ですが、東京メトロは2023年12月30日(土)~2024年1月3日(水)までの5日間は土曜日・休日ダイヤなのでご注意ください。JRの一部列車は終夜運転があるのでご確認ください。
また、感染症も流行しているのでご注意ください。
愛宕神社の2023-24年年末年始の予定
2023年年内の社務所は9:00~16:00で一旦閉鎖し、12月31日(日)23:00 ~1月1日(月)3:00まで
■年末年始の予定
2023年12月31日(日)
・9:00~16:00
・一旦閉鎖
・23:00~
2024年1月1日(月)
・0:00~3:00
・一旦閉鎖
・7:00~17:00
2024年1月2日(火)、3日(水)
・9:00~17:00
御朱印
2023年12月31日(日)9:00~15:00
2024年1月1日(月) 9:00~17:00
愛宕神社の関連イベント・プラン
併せて虎ノ門ヒルズへは行かれてはいかがでしょうか。
イベントやグルメも豊富ですし、楽しめることは間違いないです。まだまだ虎ノ門のランドマークとして人気のスポットにも足を延ばしてみてください。
また、徳川家ゆかりの増上寺は春の頃になると桜が見事に咲き誇り、東京タワーもばっちり見えます!
お昼の時間だけ一般利用もできる農林水産省の食堂もこの機会に行かれてはいかがでしょうか。食後は日比谷公園散歩で腹ごなしというコースもオススメです。
すべて都心部にありますので、地下鉄やバスなどの交通機関ををうまく利用しながら東京散策を楽しんでみてください!
よい旅を!
愛宕神社の動画
素敵な動画をご紹介します!
愛宕神社に行った気分をを高めて、是非参拝にお立ち寄りください!
愛宕神社の基本情報
利用案内
開門日
無休
社務所受付時間
9:00~17:00
※ご祈願は10:00~15:00までの間で!
問い合わせ先
愛宕神社
連絡先:03-3431-0327
愛宕神社に関する各種情報ページ
愛宕神社 公式サイト
愛宕神社 Instagram公式アカウント※四季折々の愛宕神社の様子がわかります
愛宕神社への行き方・アクセス
公共交通機関
東京メトロ日比谷線「神谷町駅」より徒歩5分
東京メトロ銀座線「虎ノ門駅」より徒歩8分
都営三田線「御成門駅」より徒歩8分
JR・地下鉄各線「新橋駅」より徒歩20分
都営バス 渋88(新橋~渋谷駅)「虎ノ門三丁目」下車
東急バス 東98(東京駅南口~等々力)「愛宕山下」下車
※都心部のため公共交通機関のご利用をお勧めします。
愛宕神社の地図
Tea break -Cover Story-
東京 -過去と未来の交差点-
出世なんてしなくてもいい。と心で呟きながら86の石段を登る。
「出世の階段」と呼ばれるようになったきっかけは江戸時代に遡るエピソードのようだ。
時折鎖に手をかけながら、てっぺんに着くころには肩で息をしていた。
東京のど真ん中。
焼失、再建を繰り返しながら、今も皆に愛される場所。
よくある働く人が多い街同様に、週末になると街の人口は少なくなるが
以前よりも商業施設や、ホテルが多くなり、賑わいは増したように思う。
裏手には、今では渋谷に引っ越した公共放送の博物館もあり、発祥の地でもある。
高層の建物がなかった江戸の世では、東京湾や房総半島までこの自然の山から見渡せたという。
震災や、戦争を越え、今でも人が集う場所に、終戦の日の雨の中、そっと手を合わせる。
今では、東京タワーや虎ノ門ヒルズといった東京を代表する高層建築物が見えるその方角には
この先また違った何かが見えるようになるのだろう。この街は変化を止めることはないのだから。
かなり急な石段を下り、鳥居を後にする頃、少しだけ出世のことが頭を過ぎった。
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